スバルが半導体不足で米国工場停止、従業員は一時帰休も
SUBARU(スバル)が、半導体不足のため米国工場を19日に停止したことが分かった。期間は30日までで全2ラインを止める。減産台数は1万5000台となる見通し。一部の従業員に対して一時帰休を実施する。スバルの完成車工場は日米の2カ国体制。米国工場は生産の約4割を担う主力。スバルは日本の工場も停止しており、半導体不足が国内外の生産計画を狂わせている。
スバルが稼働を停止するのは、米生産子会社「SIA(インディアナ州)」が運営する米国唯一の工場。一時帰休する従業員には、賃金の9割以上を支払う。SIAには間接部門も含めて約6800人が所属している。
世界的な半導体不足が要因だが、ルネサスエレクトロニクス那珂工場(茨城県ひたちなか市)で発生した火災に起因したものではないという。
スバルは日本に2カ所、米国に1カ所で計三つの完成車工場を構える。SIAは米国・カナダ向けに出荷する多目的スポーツ車(SUV)「アウトバック」、小型車「インプレッサ」、セダン「レガシィ」、北米専用SUV「アセント」の4車種を生産する。2019年度の同工場での生産台数は約40万台で、同社全体の約4割を占めた。同社の19年度の世界販売は103万4000台で北米向けが7割近くを占めた。
スバルは半導体不足で10―27日に矢島工場(群馬県太田市)の稼働を停止する。他に日本の自動車メーカーでは日産自動車やホンダが生産調整の実施を決めている。
日刊工業新聞2021年4月20日