マンションに「無人ストア」、共用部の“キラーコンテンツ”になるか

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オモチャやぬいぐるみなども販売できる無人ストア

日鉄興和不動産はオフィスを中心に無人コンビニを手がけるベンチャー、600(東京都千代田区、久保渓社長)と共同で、マンション専用の無人ストア「ストア600」を開発した。すでに日鉄興和の新築マンション10棟に導入済み。今後、年間20棟のペースで日鉄興和の新築・既設マンションに導入する。新型コロナウイルス感染症拡大で頻繁に外出できない中、マンション内で充実した生活を送る一つのツールとして注目されそうだ。(取材=大城麻木乃)

ストア600は、本棚に透明な開き戸が付いた形状で、マンションの共用部に設置する。居住者は専用のアプリケーション(応用ソフト)を携帯電話に入れ、QRコードで開き戸を解錠し、商品に付いたQRコードを読み取って決済する。

従来のオフィス中心に設置していた「無人コンビニ」が冷蔵かつクレジットカード決済だったのに対し、常温で携帯電話でのキャッシュレス決済という違いがある。マンション居住者の声を聞いたところ、財布は持たないが携帯電話は持ち歩くとの声があったことから、携帯電話での解錠・決済につながった。また常温なので文房具やオモチャなど非食品も扱える。

600の久保渓社長は「高級マンションにもなじむように、悪目立ちしないデザインを心がけた」と語る。マンションのカフェスペースなら、コーヒーや菓子を、キッズスペースなら絵本やオモチャなど、導入場所に応じて品ぞろえを変えられる。数百円から数千円の商品を50―100種類配置。商品補充の管理は600が行い、マンション管理人やストア内の商品のメーカーなどと協議して、「物件ごとに適切な補充方法を考案する」(久保社長)。

日鉄興和の猪狩甲隆常務執行役員は「キッズルームに設置して、マンション居住者同士のコミュニケーションのきっかけになるような役割を期待する」と話す。

テレワークの広がりによりマンションの共用部にはワークスペースを設置する物件が増えており、コピー機などとセットで配置することも行う。ストア600があることで、「共用部の体験価値が最大化する」(久保社長)ようなキラーコンテンツとして活躍しそうだ。

日刊工業新聞2021年4月5日

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