トヨタが中国で燃料電池システム生産へ
トヨタ自動車は、中国で商用車用の燃料電池(FC)システムの現地生産に乗り出す。北京億華通科技と合弁会社を設立し、2023年に生産を始める。総投資額は約80億円。中国政府は電動車を重点分野に据えており、商用車を中心に燃料電池車(FCV)の市場が拡大している。基幹部品の現地生産により地域に合った展開を進め、普及拡大の足がかりとする。
新会社「華峰燃料電池」は、トヨタと億華通の折半出資で、中国でのFCシステムの製造、販売を手がける。最初に投入を計画する製品はトヨタのFCV「MIRAI(ミライ)」に使われるFCシステムをベースとしており、立ち上げ時の生産能力は年間3000基を予定する。当初の従業員数は約70人。トヨタ生産方式(TPS)を活用した生産ラインを構築する。
トヨタは20年8月に億華通や中国の大手自動車メーカーなど5社と、商用車用FCを研究開発する合弁会社を設立。FC市場の成長が見込める中国で開発から生産を一貫で手がける体制を整え、同市場での普及拡大を加速する。