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ラーメン店で導入相次ぐ、「冷凍食品用の自動販売機」にコロナの追い風

ラーメン店で導入相次ぐ、「冷凍食品用の自動販売機」にコロナの追い風

「大平軒」ではコロナ禍による客数減少を補おうと、3月にど冷えもんを導入した

サンデン・リテールシステム(東京都墨田区、森益哉社長、03・5637・0155)が手がける冷凍食品用の自動販売機「ど冷(ひ)えもん」の導入企業が増えている。新型コロナウイルス感染症拡大に伴うニューノーマル(新常態)に対応して新たな商機を見いだそうと、冷凍ギョーザの専門店やラーメン店が相次いで導入。非接触・非対面型の販売ツールとして、店舗売り上げの減少を補っている。

東京都新宿区のラーメン店「大平軒」ではコロナ禍による客数減少を補おうと、3月にど冷えもんを導入。店先に設置し、冷凍とんこつラーメンを販売している。夜間や早朝に購入できる利便性が受け、1日の販売数は多い時で20食程度。設置前の予想を上回る売れ行きだ。店主の藤山立博さんは「おつまみセットやしょうゆラーメンなど、自販機限定のメニューの提供を検討したい」と話す。

冷凍食品用の自販機の利用はカップアイスのような小さな商品に限定されてきたが、ど冷えもんは大型商品の収容が可能だ。

最大220ミリメートル幅の商品に対応したタイプやカップ形状の商品を4個収納できるタイプなど、4種類の棚を自由に組み合わせて商品の大きさや個数を変えられる。

首都圏での緊急事態宣言の解除に伴い飲食店への営業時間の短縮要請が緩和されたが、3密回避につながる非接触・非対面型の販売装置への関心は高く「パスタや和菓子の販売に利用したいという問い合わせがきている」(サンデン・リテールシステム)。時間や場所の制約を受けにくい冷凍自販機の利用範囲は今後さらに広がりそうだ。

日刊工業新聞2021年3月29日

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