三菱ケミカルがリチウムイオン電池用電解液の新製造技術、従来比の2倍超へ

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米国の電解液プラント。稼働率が9割まで高まり、新たな製造技術導入を決めた

三菱ケミカルは、リチウムイオン電池用電解液の生産性を向上する新たな製造技術の実用化にめどをつけた。まず米国のプラントに導入し、2022年から段階的に生産能力を高めて23年に1万トン上乗せする。その後、欧州と中国にも導入し、3拠点合計で約3万トン増やす。電池需要の増加に伴い、材料へのコスト低減要求も高まっている。投資効率を高め、品質と量、コストの要求に対応する供給体制を目指す。

三菱ケミカルは以前から従来比2―3倍の生産性を目指す技術開発プロジェクトを推進し、「現在2倍を少し上回るまで開発が進んだ」(同社)という。米国への技術導入に向けて内容を精査した上で20―21年度にかけて段階的に投資を決定し、順次生産能力を引き上げる。

米国の生産能力は年1万7000トン。稼働率が9割まで高まっているため、能力増強を決めた。欧州と中国も需要動向を見極めながら、23年をめどにそれぞれ1万トン程度増やす。全ての増強が完了すると、グループ全体の生産能力は現在の6万3000トンから9万トン規模となる。

世界的なカーボン・ニュートラルへの動きを受けて車載電池の一層の需要拡大が予想される中、中韓勢との電池材料の競争は激化している。同社は20年10月に欧米を除く電解液事業を宇部興産と統合し、添加剤を中心に競合との技術的な差を拡大することで競争力を強化する。「電池の要求性能はさらに高まる」(同)とみる。製造技術の革新と合わせて顧客の要望に対応し、中国地場メーカーを除き、トップシェアを維持する。

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