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インダストリアル・インターネットの普及で中国のGDPが1.8兆ドル増加?

ドイツ、米国はすでに動く。“国と国のつながり”で日本出遅れか
インダストリアル・インターネットの普及で中国のGDPが1.8兆ドル増加?

IoTは2020年までに中国で3,430億ドルの市場機会を創出


無線通信のインフラ構築が課題。解決策は「ホワイトスペース」か


 とはいえ、中国でインダストリアル・インターネットを最大限に活用するには困難が伴うことも事実です。例えば、現在、制約となっていることとして、IoT通信向けに開放されている周波数が限られていることがあげられる。

 IoTコンサルタントであるヘンリー・ゴング氏によると、数千キロメートルにおよぶガスパイプラインに搭載するセンサーなど長距離アプリケーション向けにデータを無線送信するため、第2世代(2G)や第3世代(3G)、第4世代(4G)のインフラを構築するには高額な費用がかかる恐れがある。

 これに対する1つの解決策となり得るのは、米国や英国が実施している「ホワイトスペース」とも言われる、利用されていないテレビ周波数帯をデータ・ネットワーキングで活用するために開放すること。

 また、外国企業に対してインダストリアル・インターネットをどのように開放するかということも大きな課題。インダストリアル・インターネットの普及を加速させるための、中国政府とドイツ政府のパートナーシップは明るい兆しといえる。米国をはじめとする他の主要なリーダー国ともパートナーシップを締結できれば、さらに大きな助けになる。

 IoTは機械と機械、あるいは、人とデバイスをつなぐことはでる。しかし、国と国とをつなげられるかどうかは?イノベーションと政策の歩調を合わせていくことも重要だ。
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
インダストリー4・0で主導的役割を担う企業はドイツなら、シーメンス、ボッシュ、SAPなど。米国ならGE、IBM。では中国でいうとどこになるか。国家電網、チャイナテレコム、そしてファーウェイあたりになるだろう。中でもファーウェイは今年5月にIoT向けのOSを開発、インダストリー4・0の分野でSAPと提携している。インダストリー4・0で常に先行してきたドイツ、しかも歴史的に中国の様々な規格は欧州のものが多い。今春、ドイツのメルケル首相が来日し、安倍首相とインダストリー4・0の分野で協力していくことで合意したが、早くドイツとの連携を官民それぞれで進めないと商機を失う。

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