春闘開始!自動車総連「ベアなし」、全トヨタ労連「総額原資」で賃金改善要求

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自動車業界の労働組合が加盟する自動車総連は、2021年春闘の要求書を経営側に提出した。3年連続で基本給の底上げ分を示すベースアップ(ベア)の統一要求は掲げなかった。引き続きベアだけでなく定期昇給や処遇改善も含めた賃金の絶対額を重視する姿勢を示し、大手企業と中小企業との格差是正を目指す。事業環境の変化に加えて新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で各社の業績が厳しい中、労使間の本格交渉が始まる。

都内で会見した高倉明会長は「賃上げを中心とした『人への投資』に徹底的にこだわりたい」と述べた。ベアの統一要求を掲げなかったことに関しては「賃金の上げ幅闘争から絶対額の水準到達闘争へと共闘のあり方が変化してきた」とし、人事評価制度や賃金体系の見直しに向けた議論を求めた。新技術の登場など自動車産業の変革期に加え、コロナ禍による各社業績の悪化もあり厳しい交渉になりそうだ。集中回答日は3月17日。

ホンダや三菱自動車の労組はベア要求を見送った。SUBARU(スバル)はベア要求の有無は公表していない。11メーカーの主要組合は年間月数で5・25カ月の一時金を要求した。

全トヨタ労働組合連合会(全トヨタ労連、鶴岡光行会長)に加盟するトヨタ自動車グループの各組合は17日、2021年春闘の要求書を提出した。全トヨタ労連は21年からベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分について、目安となる統一の水準額を掲げない方針を示していた。その中で製造系103組合が、定期昇給などを含む「総額原資」という形で賃金改善を要求した。

各組合は全トヨタ労連が示す水準額を基にした横並びの要求をせず、各社の経営環境や職場課題に応じた交渉に取り組む姿勢を鮮明にした。今回は集計対象の製造系122組合のうち8割を超える組合が賃金改善を要求し、平均要求額は6003円となった。一時金の平均要求月数は、20年比0・1カ月減の5・0カ月とした。

全トヨタ労連の山口健事務局長(写真)は「生き残りをかけた競争が激化する中で楽観はしていないが、訴求力のある提案ができたのでは」と交渉への期待を込めた。全トヨタ労連には製造系127組合、販売系187組合の計314組合、35万7000人が加盟する。

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