今年のバレンタインはどうする?百貨店各社のネットを利用した仕掛けとは?
2月14日のバレンタインデーに向け、百貨店では先行してインターネットでバレンタイン商戦が始まった。例年各店舗に大勢の客が来店する一大イベントだが、2021年は3密を避けるため各社ともにネット販売を強化。再発出された緊急事態宣言によって、巣ごもり需要はさらに拡大すると見られ、こうした需要を取り込むために工夫を凝らす。
【自分用に】
高島屋は30ブランドの中から1粒ずつ選んで買える「お試しショコラオンライン」を用意した。プレゼントをする前に、自分が気になるブランドのチョコレートを食べられる究極の自分用だ。価格は1粒260―540円(消費税込み)で、6粒以上で注文できる。
行列に並ぶことなく買えるよう、高島屋新宿店限定でチョコレートの自動販売機も設置した。また、コロナ禍の中、医療従事者への感謝を込めて、売上金の一部を日本赤十字社に寄付するチョコレート(同1836円)もある。
高島屋では前年よりブランド数を50ブランド減の370にしたが、在庫数は1・5倍に増やした。バレンタインの売上高は店頭の減少分をネットで補い、前年並みと予想する。
松屋は21年からネット販売を開始。店頭で販売する71ブランドのうち50ブランドをネットでも扱い、ネット限定も20ブランドそろえた。生のカカオ豆からチョコレートを作る工程を楽しめるチョコレートキット(同2200円)はネット限定で販売する。
【産地応援】
受粉用のみつばち箱がいたずらされ、形が悪いという理由で通常の販売ルートに乗せられなかったイチゴなどを使った、産地応援の「アトリエキュイエール 九州ショコラ」(同3996円)も用意した。松屋では前年比15%増の売り上げを見込む。
そごう・西武は20年12月1日からネット販売を始め、すでに前年比約2倍の受注となった。例年店頭で実施していたパティシエのイベントをライブ配信し、配信を見ながらネットで購入できるようにした。売上高は店頭では前年並み、ネットでは16%増を目指す。
松屋が女性を対象に実施したアンケートによると、21年にバレンタインチョコを購入すると回答したのは95・2%(前回は94・1%)。誰のために購入するかでは、自分へのご褒美が62・4%(同58・2%)で、家族・親戚への義理チョコが59・5%(同55・7%)と続いた。自分用の予算額は4077円(消費税込み3930円)と上昇している。