学生起業支援で1億円ファンドを立ち上げ、専門職大学が興味深い理由
開志専門職大学は事業創造キャピタル(新潟市中央区、佐藤光歳社長)と連携し、個人投資家(エンゼル)による同大学生発ベンチャー(VB)支援の投資ファンドを設立する。総額1億円に対し一口100万円からと広く募集し、起業家育成の「事業創造学部」の学生・卒業生を中心に起業を支援する。実務家教員の授業や在学中600時間超の長期インターンシップという専門職大学に、ファンドが武器として加わって注目されそうだ。
この「開志エンジェルファンド1号ファンド」は2021年の設立で、同大や同大が属するNSGグループの企業も出資する。事業創造キャピタルが運営し、運用期間は10年間。同大の「情報学部」「アニメ・マンガ学部」の学生も対象だ。
同大の支援は学内施設「起業家道場」の育成機能と実務家教員による授業、ファンドの資金支援機能とプロのベンチャーキャピタリストによるサポートと多岐にわたる。「超・実践的 開志起業教育プログラム」(仮称)と呼ぶ起業支援策も計画中だ。20年度開学ながらすでに、事業創造学部と情報学部の学生の起業サークルが発足しているという。
市内で開いた会見で池田祥護NSGグループ代表は「学生の創造的、革新的な発想を具現化し、VBの成長を後押しすることは、グループが目指す『新しい持続可能な成長』を実現する」と強調した。同大の北畑隆生学長は「ファンドは実践教育の具体的で大きな柱だ。新潟を拠点に日本、世界を相手にできるVBを育成したい」と語った。
日刊工業新聞2021年1月19日