物流・倉庫・DCの底堅い。大林組社長の「工事受注」読み筋

蓮輪賢治社長インタビュー

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大林組公式サイトより

―新型コロナウイルスの影響は。

「2020年2月に対策本部を立ち上げて、いち早く対応した。国内事業の業績には大きな影響はなかったが、海外の施工高比率が高いため、北米やアジアの工事が停止し、20年4―9月期連結業績は減収減益となってしまった」

―今年の受注環境をどう見通していますか。

「建設受注に関しては、ホテルや商業施設などで減少傾向が続く見通しだ。一方、ステイホーム、リモートワークが浸透しはじめ、物流施設・倉庫やデータセンターなど情報インフラが底堅い。今後、両者のバランスによるマーケットの変移を慎重にみていきたい」

―海外工事の進捗(しんちょく)は。

「コロナの影響で工期の期ずれや延期が多いが工事がなくなったわけではない。アジアでは、シンガポールの労務の供給状況がコロナ以前に戻り確保できている。コロナの収束によるが、年内、徐々に工事が戻ってくるかもしれない」

―米国の新大統領が20日に就任します。

「米中の経済摩擦に注目している。一時送金が自由にできないものがあったようで、中国系の投資ファンドが資金繰りに困り、頓挫した開発案件があったようだ。新大統領のもとで改善されるのか注目している」

―コロナで経営に変化は。

「以前から進めていたデジタル化、情報インフラの整備がコロナにより背中を押された。デスクトップ型が混在していたパソコンをノート型に一本化した。オフィス業務のテレワークを推進するが、生産性が毀損(きそん)しないかなどを精査しながら新しい働き方を検討していく」

―デジタル変革(DX)の取り組みを推進しています。

「生産性の向上を目指し、施工機械の無人化、遠隔操縦を実現する技術開発を加速する。ユーザー目線に立った汎用性のある技術開発が重要だ」

―25年には大阪・関西万博が開催されます。

「大阪・関西万博は、国を挙げての行事であり、海外からも多数の来客が見込まれる。安全・安心を担保するインフラを構築することが使命だ。残る4年で待ったなしの状況。21年はそのスタートの年と言える」

記者の目/持続可能な社会に貢献

大林組は25日に創業130年を迎えるのを前に、ブランドビジョンとしてスローガン『MAKE BEYOND つくるを拓く』を掲げた。建設にこだわらず、モノづくりを通じて持続可能な社会に貢献するという。コロナとの共生や気候変動の対応など事業環境が変化し、企業に求められる役割も変わっている。(編集委員・山下哲二)

大林組社長 蓮輪賢治氏

キーワード
DX

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