住友商事社長が断言、ビジネスサイズが大きくなっていく分野はこれだ!

兵頭誠之氏インタビュー

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住友商事社長・兵頭誠之氏(同社公式サイトより)

―コロナ禍の経営環境についてどう見ていますか。

「中国は経済回復を果たしつつあるが、日本では新型コロナウイルス感染拡大の第3波への警戒があり、ワクチン接種も始まっていない。期待も込めてだが、世界経済は2021年度後半から22年度にかけて、ようやく19年度レベルまで回復していくのではないか」

―成長軌道への回帰に向けたポイントは。

「景気変動に敏感な事業に関しては、ここ1、2年をかけて安定した体質につくり替えていく。今後はカーボンニュートラルへの配慮や省エネを意識した不動産開発なども求められる。ジュピターテレコム(JCOM)では従来のケーブルテレビ(CATV)事業に加えて、遠隔診療への対応など社会に役立つサービスを拡充していく」

―20年6月にサステナビリティー経営の高度化の一環として六つの重要社会課題と長期目標を設定しました。

「より環境にフレンドリーなビジネスに取り組み、収益を上げていくことが狙いだ。洋上風力発電への取り組みでは、欧州で培った経験を生かしていく。水素エネルギーは重要な次世代エネルギーの一つと考え、利活用に取り組んでいく」

―デジタル変革(DX)への取り組み状況はいかがですか。

「(住商は)900社以上の事業会社をグローバルに運営しているが、歴史的にサプライヤー視点での事業展開が多かった。DXを活用して、改めて現場視点で顧客の求めていることを考え抜き、新たな価値創造に取り組んでいる。事業においては、インフラ整備による第5世代通信(5G)社会の実現を後押しすべく、通信事業者向けの5G基地局シェアリングやローカル5G事業に取り組む」

―次期中期経営計画の方向性は。

「メディア・デジタル、生活・不動産、インフラのビジネスが相対的に大きくなっていくだろう。金属や資源、エネルギー分野でも伸ばすべきものがある。鋼管事業はやり方を変えながらビジネスのサイズを大きくしていくことが大事だ」

【記者の目/社内起業、事業育成なるか】

ここ数年、社内起業制度や価値創造のためのオープンイノベーションラボの開設、積極的なDXの推進など新たなことに挑戦して成長すべく、矢継ぎ早に手を打ってきた。種まきの段階を経て、次の中期経営計画を通じてどれだけ案件として育てることができるかに注目したい。(浅海宏規)

日刊工業新聞2020年1月15日

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