ジャパンマリンユナイテッドの株式譲渡で「日立造船」の社名変更は?三野社長の答え

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日立造船社長兼COO・三野禎男氏
―2021年の見通しはいかがですか。

「新型コロナウイルス感染症の収束が見通せず不透明なところがあるが、現在21年度(22年3月期)の受注計画などを精査しているところだ。民需関連の落ち込みがどう顕在化するか見通しは難しいが、(23年3月期を最終年度とする3カ年の)中期経営計画で掲げている4000億円を安定的に超える受注・売上高、営業利益率5%の達成につながるようにしたい」

―民需での影響は。

「新型コロナで大きいのはプレス機械、プロセス機器など。早期に受注を重ねないと少しずつ影響が出るだろう。プロセス機器は中国向けは回復基調にあるが、出張ベースでの営業は難しい。プレスを含めて納入済み設備のメンテナンスや診断など、サービス面を今後どう伸ばせるかだ」

―洋上風力発電は。

「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による北九州市沖の海域での実証運転で浮体式の実証機を納入している。洋上風力事業では基礎構造、浮体の設計・製作などで貢献できる。事業の進捗(しんちょく)に合わせて発電かエネルギー部門に属すかなど、組織構成を検討したい」

―ジャパンマリンユナイテッド(JMU)の株式譲渡後、「日立造船」の社名の変更は検討しますか。

「具体的な話はない。ただ造船事業を分離して20年近くになるため社内で『検討はしても良いのでは』という雰囲気はある。一方で年配社員になるほど社名への愛着はある」

―JMUが舞鶴事業所(京都府舞鶴市)での商船建造から撤退します。従業員を日立造船で受け入れる可能性はありますか。

「人に関わる話でもあり、特段動きがあるわけではない。(精密機器などを手がけ約130人が在籍する)当社の舞鶴工場は規模が小さい。舞鶴以外に堺(堺市西区)や築港(大阪市大正区)などの工場もあるので(打診があり、舞鶴以外でも受け入れ可能なら)頭から断るのではなく、検討の俎上(そじょう)には上がるだろう」

【記者の目/ゴミ発電施設受注に明るさ】

海外中核子会社、日立造船イノバ(HZI)の不採算工事が一巡し、主力のゴミ焼却発電施設の海外受注拡大にも明るさが見え始めた。「(社名のことは)いつも聞かれると困るのだが」と三野禎男社長は苦笑するが、事業内容は大きく様変わりした。創業140周年を迎える21年は新たなスタートを切るにふさわしい年だ。(大阪編集委員・林武志)

日刊工業新聞2021年1月12日

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