山中研究室出身CEOのバイオベンチャー、iPSで心臓病細胞療法実用化へ協業狙う

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心臓病の治療に用いる細胞シート(アベリー・セラピューティクス提供)

米アイ・ピース(カリフォルニア州)は、バイオベンチャーの米アベリー・セラピューティクス(アリゾナ州)と、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を活用した心臓病の細胞療法の実用化に向けて協業する。アイ・ピースが臨床用iPS細胞と関連技術を提供し、アベリーが心臓病の治療用に培養して細胞シートを作製する。アベリーは2021年中にも臨床試験(治験)を開始する。アイ・ピースは日本でも協業先を開拓する。

アイ・ピースは医療用iPS細胞を血液から作製するサプライヤー。京都大学の山中伸弥教授の研究室出身の田辺剛士最高経営責任者(CEO)が15年に立ち上げた。これまで再生医療品の開発・作製を手がける企業など3社と協業している。今後、事業の拡大を図り、2―3年後に再生医療が進む日米欧を中心に10社程度との協業を目指す。

同社のiPS細胞作製拠点は京都市西京区にあり、子会社が5月、臨床用iPS細胞の作製を始めた。作製能力は現状、年間100人分程度。需要動向を見据えながら5年後に同4000―5000人分規模に引き上げる。

一方、再生医療品の開発・作製を手がけるアベリーはこれまで心臓と筋肉に関する研究をしてきた。心臓病や心臓以外の臓器の病気にも細胞シートの適用範囲を拡大する。協業により臨床用の高品質なiPS細胞を安定的に確保する。

日刊工業新聞2020年12月28日

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