搬送ラインの設計時間90%以上カット! 問い合わせ相次ぐミスミのモジュール化サービス

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「コンビ」のデモ機。モジュールを組み合わせるだけで搬送ラインを構築できる

自由度の高さ、引き合い多く

ミスミグループ本社が工場の搬送ラインの設計時間を最大90%以上削減できるサービスを推し進めている。標準品のモジュールを組み合わせて搬送ラインを構築するサービスを6月に開始。コロナ禍にもかかわらず数百社が興味を示しているという。一般的に搬送ラインは特注や内製が多く、配置を変更しにくい上、コストもかさみがちだ。一定品質の標準モジュールを組み合わせるだけの同サービスで、ライン配置自由度と稼働の安定度を高められる点を訴求する。(川口拓洋)

工場の搬送ラインは加工対象物(ワーク)を運ぶ・止める・位置決めするなどの連続だ。ただ、工場にとって核(コア)となる工程はあくまで「加工」であり、搬送はノンコア業務に位置付けられる。しかし、搬送で問題が発生すると生産停止になるため、ノンコアといえども手は抜けない。

ミスミが提供する「パレット搬送モジュール COMBe(コンビ)」は、ワークを載せるパレットとして最大搭載質量2キログラム(150ミリメートル角)、同3キログラム(幅150ミリ×奥行き200ミリメートル)、同4キログラム(200ミリメートル角)の3種類を標準設定。これに直線搬送・上下昇降・左右移動・90度回転の各モジュールを組み合わせる。

パレットの停止や位置決め用のモジュール、パレットを検知するセンサーモジュールも用意。各モジュールの構造と設置基準を標準化することで、パレットがモジュール間を円滑に「乗り継ぎ移動」できるようにした。

通常、搬送ラインは構想、設計、見積もり、調達、組み立てなどの段階を経て完成に至る。例えばコンベヤー11台、回転機構4台、昇降機構2台の構成で新規にラインを構築する場合、内製で40日間かかった作業が、コンビを活用すると2日に短縮できる。

搬送ラインの見積もりは過去の類似例を参考にすることも多いが、コンビは各モジュールの標準価格を設定。ウェブを活用したオーダーシステムで、納期と全体の価格が同時に算出される。多品種少量や変種変量生産に対応しやすく、モジュール単位の交換やモジュールを別ラインで利用することも可能になる。

ミスミがターゲットとするのは、自動車部品であるリチウムイオン電池やモーター、電子部品の組み立て・加工などの分野。搬送ライン構築の専門業者のほか、ラインを利用する最終ユーザーからの引き合いもあるという。国内の動向をみて今後、海外への提供も模索する。


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日刊工業新聞2020年12月23日

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