「対面説明会が息抜き」「zoomはつなぎっぱなし」...内定者たちはコロナ禍の就活、どう乗り切った?
内定を得られた2021年3月卒予定の大学4年生たち6人に集まってもらい、異例の就活事情を“ホンネ”で語ってもらう座談会の後編。コロナ禍の中、彼女・彼らはどう就活戦線を乗り越えてきたのか。
オンラインでの企業の情報収集が主になって
佐藤(司会を兼務。仮名、以下同じ):対面で説明会に行けなくなって、実際に企業の中身も見学できなくなった。みんなはどうやって企業を選んだのかな。
松本:多分、コロナになってもあまり変わらなかったかな。理系就職はそもそも、ネットとかでも生の声というか、情報が少ないというのもあって。親が個人投資をしているから、企業動向に詳しかったので親と相談しつつ、自分でもIRと見比べつつ、決めていった。
杉田:生でやる、その企業だけの個別説明会とかは見たかな。オンデマンドの説明会で、そのあと「何月何日にうちだけの生説明会があります」って予告されたりすると、ちょっと見てみようかなって。
大島:生の利点は質問ができることだよね。オンラインだと質問がスルーされることもあるから。
高野:僕はエージェントを使った。一般企業がやる大学のキャリアセンターみたいなもので、企業情報を紹介してくれた。求人みたいに、自分の知らなかった企業も紹介してくれるから、興味があったら説明会に行かせてもらったり。でも結局はそこが紹介した企業に入社予定ではないから、そこは人によりけりだと思う。
佐藤:エージェントは、進路方針が定まってる人が使うならいいけど、そうでないと逆に迷走することになると思った。だから、エージェント使うならそういうところはちゃんと決めておいた方がいい。
高野:向こうも商売だから、エージェントが推したい企業とかもある。だから電話がめちゃくちゃかかってくる。
半分企業説明会のようなワンデイインターン。どんなスタンスで臨む?
佐藤:ところでみんなはインターンに参加した?
高野:主流はワンデイで、半分企業説明会だよね。ワークやりますって言っても、どの企業でも内容は一緒みたいなことも多かった。
杉田:企業の魅力を感じられるかどうかっていうと、ワンデイインターンはちょっと違うのかなって思うね。一方で、3日間以上とかの長期のインターンになると、実際に働いている社員の方の様子とかも見せてくれて、魅力を感じやすかったかな。
大島:僕はワンデイは説明会の手前みたいな気持ちで行ってた。初めて行ったワンデイで、「ワンデイってここまでしか確かにできないよな」って思ったところがあって。ワンデイの若干の企業説明会とグループワークで興味を持てたら説明会に行ってみようと思った。
佐藤:面白いね。全然そういう意識なかった。
大島:10日間とかのインターンも行ける人はいけるけど、僕はそこまで通う体力は多分ないなと思ったから、だったらその10日で10社見て、その中で説明会をより詳しく聞いてみたいところを決めるつもりで、ワンデイに行ってた。
特典ありきのインターン
杉田:私は一次選考免除みたいな特典ありきでインターンに行ったかな。説明会はインターンがありますよっていう情報を教えてくれるだけだけど、実際にインターンに参加すると早期選考に乗れる。それが目的で参加してた。
佐藤:確かに。特に1月、2月の「説明会とインターンを兼ねてます」ってもう企業側が言っちゃってるインターンだと、早期選考は結構あった。
高野:インターンの時期にもよるのかな。夏のインターンが終わった帰りの電車で、もう次の秋冬インターンの案内メールが来たりもした。「あなただけに送ってます」みたいな。
大島:それで何度も同じ企業にインターンに行ったりとかね。僕はSE志望だったんで、インターンの内容は結構気にしてて。プログラミング体験とかはやってみたかったから、そういうことを実施する企業を中心に受けたから、少しは益はあったかな。
松本:僕は理系だからか、大学に推薦というシステムがあって。企業によって学科で何人採るとか決まっているんだけど、一般に就活するよりも少し有利になる。それを前提として就活しようとは決めていたので、インターンにはあまり参加しなかった。
就活を意識して単位は計画的に取ること!
佐藤:就活も大学の授業も、オンラインが主だったよね。両立はしやすかった?
川内:4年生はゼミだけだったから、そもそもが楽だった。
佐藤:私はほぼオンデマンドだったから、1日だけ勉強の日って決めておくと楽だった。
大島:うちの大学は逆にライブ授業しかなかったな。でも、授業も就活もオンラインだと移動時間が必要なかったから、やっぱり例年よりも両立はしやすかったと思う。コロナがあるにしろないにしろ、計画的に単位は取ろうって後輩に伝えたい。
ずっと家にいるのはやっぱりつらい。外に出る理由、許可がほしかった
佐藤:ところでコロナ禍で外出が制限された中での就活だったよね。みんなはどうやって気分転換していた?
杉田:電話、zoom、お酒、ゲーム…。インドア趣味を何個か持っている人は強かったかもね。
川内:友達とは、逐一就活の進捗を報告していたわけじゃないから。誘いづらくてあんまり誰かと遊ぶことはできなかったかも。
大島:就活中は友だちとzoomをしてた。繋いでいるんだけど、誰も何もしゃべらないみたいな(笑)。監視の目がある感じ。とりあえず30分集中して、10分しゃべろうみたいな使い方をしてた。毎日やってたこともあった。
川内:塾の自習室とか、図書館みたいな感じかな、いいね。
大島:あとは体を動かす!散歩とか。ランニングしたり、筋トレしたり。
佐藤:逆に時々ある対面の説明会とかが息抜きになっていたかも。
高野:僕はバイトだな。バイト先の人と話して気分転換してた。
コロナ禍の就活を総括して
佐藤:みなさん、コロナ禍での就活を終えて、ひとことお願いします。
川内:面接は対面にしてほしい!
高野:対面か、オンラインか選べたら嬉しいな。
松本:説明会は全部オンデマンドの方が時間はとられないね。
佐藤:一方的に話すだけだったら全部オンデマンドでいい。質問はあとから自分でメールしたり、一次面接で聞けたりもするから。自分から働きかけるものがある時だけ、対面にしてほしい。
杉田:オンラインにプラスアルファはほしいかなと思う。説明会受けて、面接を受けたい!ってすぐになる企業は少ない。全部が一方通行というよりは、セミナーとか、画面越しでいいから1対1で話すとか、ワンクッションほしい。
大島:説明会とかイベントとか、企業とのファーストコンタクトがオンラインになるのは案外良いのではないかと思った。圧倒的に楽だし、無駄が省ける印象。でも、決定打としてやはり企業や社員さんの雰囲気は肌で感じておきたいから、企業の中身見学ツアーとか、2次面接以降とか、「この企業、アリだな」と思った時に「対面」で確認する選択肢があったら、効率の良い就活になりそう。
松本:実は自分の内定先は、説明会とか面接とか事業所見学とかの就活におけるイベントすべてがオンラインで行われた。だから、企業に対して正直ちゃんとしたイメージはまだわいてない。内定式もオンラインだと言われて、さすがになんでもかんでもオンラインにするのはやめてほしいって思った。そのことによって企業に対して不信感を募らせるとかはないけど(笑)
佐藤 : 本日はみなさん、ありがとうございました。