3190円の新型コロナ民間PCR検査。安心は果たして買えたか

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写真はイメージ

「安心」と「安全」。並べて使われることの多い言葉だが、意味は異なる。安心は人間が感じる主観であり、安全は規則や数値など客観に基づくもの。反対語の「不安」と「危険」を見るとより分かりやすい。

住宅事業や医療法人を傘下に置く木下グループ(東京都新宿区)が東京・新橋に開設した新型コロナウイルス感染症のPCR検査を受けてみた。オンライン予約に苦労したが、希望した日時に現地に行くと、混雑もなくスムーズに入場できた。

検査料(税込み3190円)の支払いはキャッシュレス決済のみ。渡された容器に必要量の唾液を流し込むのにやや手間取ったが、あっけないほど簡単だった。

翌日にはメールで「結果は陰性」との連絡が入った。ひとまずは安心したが、それも一瞬のこと。分かったのは検査したその日の自分は感染していなかったことだけで、今の自分が安全かは分からないからだ。

民間企業が国民の不安な気持ちを和らげたいとの思いから始めた事業であり、その心意気には拍手を送りたい。それでも安心は、いっときしか得られなかった。日々悪化する医療現場の逼迫(ひっぱく)問題が解決されなければ、安心は得られず、安全も確保されないと痛感した。

日刊工業新聞2020年12月16日

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