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国際線ネットワークとサービスに磨きをかけるANA「首都圏デュアル・ハブ」戦略

新規就航地点、東南アジア路線サービス拡充、ボーイング787投入

サービス格差解消


 ANAが東南アジア路線を欧米線並みのサービスに格上げするのは、首都圏デュアル・ハブ戦略が色濃く影響している。北米からの旅客が、日本へファーストクラスやビジネスクラスで来ても、日本から東南アジアはファーストクラスがなかったり、機内食の提供方法が違うなど、サービスの違いを感じることがあった。ANAでは東南アジア路線においても上級クラスのサービスを拡充し、全体のサービスのレベルを引き上げている。

 サービスの向上は、座席や機内食だけでない。7月からは、成田-ヒューストン線と米ユナイテッド航空の国際線に乗り継ぎする際に、預けた荷物を一度引き取る必要がなくなった。日本の航空会社としては初めて、米国の国土安全保障省税関・国交取締局から、手荷物の引き取りが不要となる「I to I Program」の適用を受けたためで、ブラジルやメキシコなど、中南米のゲートウェーであるヒューストン空港での乗り継ぎがいっそう便利になった。

新たな武器「787」


 国際線ネットワークの拡充に欠かせないのが、787の存在だ。乗客にとって快適なだけでなく、航続距離が長く、燃費性能が高い787は、航空会社にとって、国際線事業を大きく飛躍させることができる中核機材。ANAは2016年度に787の最新機材である「787-9型機」を10機受領する計画だ。新堀氏は「787-9はANAにとって新たな武器であり、今後は重点的にアジアにも投入していく」と話す。

 ANAの国際線の就航都市は2005年の23都市から2015年には39地点と、10年間で約1・7倍に拡大した。2015年度上期は、国際線の輸送力を表す「有効座席キロ」と輸送量を表す「有償旅客キロ」の二つの指標が、日本航空を上回り、名実ともに日本最大の国際線運航会社となった。2016年には「国際線就航30周年」と、節目を迎えるANA。世界一を目指す、新たな挑戦が始まっている。
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
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