ニュースイッチ

喫煙が排尿障害を悪化させる!?日本人男性1万人の大規模調査で分かったこと

横浜市立大学付属市民総合医療センターの上村博司診療教授らは、喫煙が日本人の排尿症状の悪化の要因であることを明らかにした。喫煙と排尿障害の関係性に関し、日本人成人男性1万人を対象としたアンケートを実施。喫煙が排尿障害の悪化の要因で、特に若年者で喫煙による排尿症状の悪化が顕著であることを見いだした。基礎研究の推進が期待される。

尿意切迫感や頻尿などの症状が出る病気の「過活動膀胱(ぼうこう)」に、日本人の男女8人に1人は罹患(りかん)する。喫煙は罹患率が上昇するリスク要因の一つとされるが、喫煙と排尿症状の関連を示す大規模な研究はこれまで行われていなかった。

上村診療教授らは、日本人成人男性1万人を対象に、喫煙と排尿障害に関する調査を実施。約9000人から回答を得た。その結果、過活動膀胱、尿意切迫感、夜間頻尿のいずれも各年齢層において、禁煙習慣のない群と比較して、喫煙習慣はあるが禁煙中の群、喫煙習慣のある群が高い罹患率を示した。インターネット調査会社のアイブリッジ(大阪市福島区)との共同研究。成果は英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。

日刊工業新聞2020年12月2日

編集部のおすすめ