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日本一若い佃煮屋社長の挑戦!環境配慮のためLPガスボイラを導入

「会社を継いだからには、新しいことに挑戦しよう」
日本一若い佃煮屋社長の挑戦!環境配慮のためLPガスボイラを導入

佃煮を煮るための窯が並ぶ


より環境に配慮した機器構成


このような社長の強い意志が最も明確に表れたのが、「ベーパライザー(LPガスを気化する装置)」の選択である。もともと電熱ヒーターにより温水を作りガスを気化させる「電気式」を採用していたが、電気容量を圧迫し電気使用量も多いという難点があった。そこで大気熱を使用する「空温式」を選定。イニシャルコストは電気式に比べてはるかに高額だが、CO2排出ゼロで待機電力も必要ないため、より環境に配慮した機器構成にすることができた。燃料転換後、CO2排出量削減効果は41.5%/年という結果を得ることができた。

 諸工事を含めるとトータルで3,000万円ほどがかかったというが、やはり長期的なエネルギー使用、環境配慮から設備投資に踏み切り、上記のような大幅な削減効果を実現できた。ボイラの更新を皮切りに、冷凍機器の改新や工場の改修、また環境に配慮するため社内の照明をすべてLED化する予定だ。

20年前の製品を復活


設備投資以外にも、関谷社長は新しいことを始めている。その大きな成果が「鮎の甘露煮」だ。もともと愛知で作られ、20年ほど前から生産が止められていた鮎の甘露煮を復活させようと、近所の鮎養殖業者と共同で商品開発を行い、昨年より販売開始した。

 さらに、佃煮を食べる習慣を子供の時から持ってもらおうと食育にも力を入れている。

「実は私もほとんど佃煮を食べてきませんでした。会社に入るか悩んだとき、10年ぶりくらいに会社を訪れて佃煮を食べてみたんです。そしたら意外とおいしくて。食べてみたらおいしいと思ってくれる人は多いと思うんです」(関谷社長)。6月29日の「佃煮の日」には「豊橋佃煮志会」という地元同業者の会にて豊橋市内の小学校に佃煮約3,000パックを無料配布するほか、学校給食に佃煮を取り入れてもらうよう積極的に働きかけている。

 新しいことを始める際に、社内での反対などは起こらないのだろうか。関谷社長は笑って、大変だったことはないと話す。「小さい会社なので、何かをするにしても社員に相談します。みなさん協力的です。おかげで私が入った年から毎年売上を向上させることができています」(関谷社長)。

 経営判断をするにあたり関谷社長が大事にしているのが、企業理念の「善い心を持って商売をすること」。エネルギーの問題、食育にしても、まわりに良い会社だなと思ってもらうことが、ひいては長く会社を続けていくことにつながっていくという。若き社長の挑戦は続く。

LPガスへの燃料転換のご案内
http://www.j-lpgas.gr.jp/nenten/index.html

LPガスへの燃料転換事例や削減効果シミュレーションプログラム等を掲載しております。
ニュースイッチオリジナル
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
さんまの佃煮がとてもおいしかったです。

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