インク化したカーボンナノチューブが登場、農業から宇宙まで幅広い分野に提案へ

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HEATNEX(ヒートネクス) HBL15―R200

アドバネクスはカーボンナノチューブ(CNT)を活用した面状発熱体「HEATNEX(ヒートネクス) HBL15―R200」を開発、近く受注を始める。CNTをインク化し、薄膜塗装し電気抵抗体として発熱させる。金属系ヒーターに比べ軽量で均一に発熱。自動車や航空・宇宙など幅広い分野に提案する。幅30センチメートルで長さ200メートルのロール状素材として供給する。

小型精密バネを手がけるアドバネクスはCNTを用いた製品開発に力を入れており、発熱体はその第1弾。一般に高い導電性・熱伝導性を持つCNTを高分散技術により水性の溶剤に混ぜてインク化。ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに厚さ約2マイクロメートル(マイクロは100万分の1)で薄膜塗装した。

CNT膜の全面が均一に発熱し、電気の入力に対して速く反応。耐熱温度は基材に依存し、PETフィルムの場合で100度C程度となる。ポリイミドフィルムなどを基材にすれば、200―300度Cまで対応できる。

今回の製品は発熱面が黒色だが、単層CNTを使用して透明化したり、立体形状に塗装して3次元(3D)ヒーター化したりといった製品展開も検討する。自動車や航空・宇宙のほか、医療機器、農業資材などとして用途開発を進める。

日刊工業新聞2020年10月28日

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