日本で女性研究者が少ない深刻な訳とは?

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「結婚、出産しても続けられる医師や薬剤師などの資格職に流れやすい」と話すのは理化学研究所主任研究員の坂井南美(なみ)さん。日本で女性研究者が少ない理由をこうみている。

科学技術白書によると、研究者に占める女性の比率は約16%(2019年3月末)。英米は3割強に上る。科学技術振興機構(JST)は昨年、優れた女性研究者を応援するため「輝く女性研究者賞(ジュンアシダ賞)」を創設した。

今年の受賞者である坂井さんの研究でざん新なのは物理的手法が主の天文学に化学的手法を採り入れたこと。「アルマ望遠鏡」など最先端の電波望遠鏡を用いた大型プロジェクトで、惑星系形成の解明につながる成果をあげた。

東京工業大学准教授の星野歩子(あゆこ)さんは、がん細胞の転移機構の研究でJST理事長賞を受賞した。転移前に、がん細胞が放出する微粒子エクソソームが特定臓器に転移しやすい土壌を形成するのを突き止めた。

2人の共通項は子育てとの両立。「学会シーズンは大変。子づれで学会に行くこともある」と星野さん。先駆者2人の姿は女性研究者にとって目標となる。後に続く人を増やすためにも、男女が育児や家事をともに担える環境づくりが進むといい。

日刊工業新聞2020年10月23日

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