NASA職員が語るイノベーションのアイデア

宇宙で生まれるブレークスルー、3Dプリンターで人間を印刷!?

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火星探査機キュリオシティ(NASA提供)
 医療用画像からジェットエンジンまで、あらゆる機器が生成するデータの爆発的な増加を受けて、ビッグデータの強力な分析ツールへのニーズは高まり続けている。インダストリアル・インターネットを巡る課題のうち最も困難なのは、宇宙に関するもの。しかし同時に、宇宙はデータ活用やM2M(マシンツーマシン)通信技術のブレイクスルーを生み出す可能性も秘めている。

 宇宙探査機から地球へ情報や画像を送り、それを返すというプロセスはそれほどに過酷な試練なのだ、とNASAジェット推進研究所のフェローのアダム・ステルツナー氏は明かす。

 先日、米ゼネラル・エレクトリック(GE)がサンフランシスコで開催したイベント「GE Minds+Machines」にも登壇したステルツナー氏は、米航空宇宙局(NASA)の火星探査機「キュリオシティ」計画で着陸ミッションの主任技術者を務める人物。人々の心を掴んだあの「キュリオシティ」の火星着陸の写真は、1億4,000マイルという距離を数日にわたり旅して地球にたどり着いたと言う。

 宇宙探査は、M2M通信に特殊な制約が生じる。非常に困難なチャレンジであると同時に、そこにはデータ共有や分析の新たな方法、さらには新技術を開発する大きな機会が存在すると説明した。

アダム・ステルツナー氏(談)


 宇宙探査の世界におけるデータ通信は、その物理的距離や転送時間のために、M2M通信でも独特の制約下で行うことになります。通信の信頼性が低くなったり、中断されたり、何日もの転送ラグが生じたりする場合を想定して、システムは通信できなくても機能するよう設計されているんですよ。

 一方で、「コンスタレーション」と呼ばれる、宇宙探査機の大群が通信を利用して一斉に行う科学測定にはM2M通信が欠かせません。こうしたミッションでは、専用に開発された通信技術を用いて、特殊なM2M通信で測定しています。

 宇宙空間から地球へ刻々と送られてくるデータ量は膨大で、処理能力の限界をいかに高めるかが鍵になります。惑星探査機「キュリオシティ」の例で言えば、データは3カ所の特殊無線アンテナ基地――いわゆるディープスペース・ネットワークを使って受信しています。

 それでも転送能力は限られており、すべてのデータを受け取るのに何日もかかることがあります。そのため「キュリオシティ」をはじめとする探査機ミッションでは、サムネイルを活用し、処理労力を費やす価値がありそうな画像だけを転送するようにしています。

 今後、大規模な火星探査を計画するにあたっては、デジタル標高データやアルベドマップなど、圧縮した情報に変換して、転送データをコンパクトにする方法がますます重要になっていきます。

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