ネクタイの幅つめ専門サイト。その価値は金銭にあらず
文=尼口友厚(ネットコンシェルジェ CEO)「Skinny Fatties」は優れたeコマースのはじめ方
ネクタイの幅を細くする「ネクタイの幅詰め」をご存知だろうか? 僕も今回紹介するサイトを知るまではそんなビジネスがあることを知らなかった。
幅詰めとは一般に「衣服の幅をスリムにすること」を指す言葉で、たとえばストレートジーンズを購入した人が、よりシルエットを細く見せたいと幅詰めをお願いすれば、スキニージーンズのように仕立ててくれたりする。ネクタイの幅詰めはそのネクタイ版で、太いシルエットのネクタイをより細くするというサービスだ。
なかなか便利なサービスにも関わらずさほど知られていないのは洋服屋の服の修繕や、購入後のオプションの1つとしてしか扱われていなかったためだろう。そんな、これまで光を浴びていなかった「ネクタイの幅詰め」サービスを専門に取り扱うECサイトとして話題を得たのが、今回ご紹介する「Skinny Fatties」だ。
http://skinnyfatties.com/
同サイトは2012年、米国ニューヨークにおいて設立された。創業後は日本や南アフリカを含む世界各国12カ国からオーダーを受け、4000のネクタイのリサイズを行ってきた。インターネット上でも話題となっておりビジネスメディアのBusiness Insiderなどにも取り上げられている。
Skinny Fatties創業者のJoshua Adam Bruecknera(ブルクナー)氏は2012年の夏のある日のこと、仕事をクビになった。早速新しい勤め口を探したが、面接を受けても受けてもなかなか内定をもらえず、やがてお金にも困りはじめ、面接用の新しいネクタイを買うことさえできなくなってしまった。
そんな時、ブルクナー氏は偶然にもタンスにしまってあった大量の古いネクタイを見つけた。しかしこれらのネクタイはみな時代遅れなデザインで、今風のネクタイよりもかなり幅が広かった。到底面接には使えそうもなかったが、同氏は一計を案じて「How to tailor」(服を仕立てる方法)とGoogle検索して裁縫を勉強し、自分の手で細くリサイズしてみた。
この努力は虚しく、その後も依然として就職先は見つからなかったが、ネクタイを作ったことは彼のその後の運命を大きく変える。そのきっかけが生まれたのは、少しでも収入の足しになればとAirBnBを運用していたときのことだ。
ある時訪れたAirBnBのゲストが、ブルクナー氏が幅詰めしたネクタイを見て、これを売ってくれないかと持ちかけてきた。さらに、君のやっていることは十分にビジネスになる可能性があるぞ、と教えてくれたという。試しに幅詰めしたネクタイの販売を知人に向けて行ってみたところこれが好評で、これを機にブルクナー氏は、「Skinny Fatties」を設立して本格的に事業をはじめることにした。
また、当時やってきたAirBnBのゲストがさらなる協力をしてくれたことも幸運だった。なんと自分が働いていたグルーポン型の共同購入サイトGilt Cityの同僚を紹介してくれ、このことがGilt CityでSkinny Fattiesのサービスのプロモーションを行うことにつながったのだ。このプロモーションはちょっとした話題となり、いくつかの米国の人気メディアサイトDetails MagazineやTime Out New Yorkなどにも取り上げられたという。
またブルクナー氏自身も積極的にメディアに働きかけ、自身のユニークな創業エピソードを書いて発信し、これも多くのメディアに取り上げられた。こうしていくつものメディアに掲載された記事を見た人が「ネクタイの幅詰め」専門のサービスに興味を持ち、次々とサイトを訪問するようになったのだった。
幅詰めとは一般に「衣服の幅をスリムにすること」を指す言葉で、たとえばストレートジーンズを購入した人が、よりシルエットを細く見せたいと幅詰めをお願いすれば、スキニージーンズのように仕立ててくれたりする。ネクタイの幅詰めはそのネクタイ版で、太いシルエットのネクタイをより細くするというサービスだ。
なかなか便利なサービスにも関わらずさほど知られていないのは洋服屋の服の修繕や、購入後のオプションの1つとしてしか扱われていなかったためだろう。そんな、これまで光を浴びていなかった「ネクタイの幅詰め」サービスを専門に取り扱うECサイトとして話題を得たのが、今回ご紹介する「Skinny Fatties」だ。
http://skinnyfatties.com/
同サイトは2012年、米国ニューヨークにおいて設立された。創業後は日本や南アフリカを含む世界各国12カ国からオーダーを受け、4000のネクタイのリサイズを行ってきた。インターネット上でも話題となっておりビジネスメディアのBusiness Insiderなどにも取り上げられている。
仕事をクビになり、次の仕事の面接に着ていくネクタイすらなくなる
Skinny Fatties創業者のJoshua Adam Bruecknera(ブルクナー)氏は2012年の夏のある日のこと、仕事をクビになった。早速新しい勤め口を探したが、面接を受けても受けてもなかなか内定をもらえず、やがてお金にも困りはじめ、面接用の新しいネクタイを買うことさえできなくなってしまった。
そんな時、ブルクナー氏は偶然にもタンスにしまってあった大量の古いネクタイを見つけた。しかしこれらのネクタイはみな時代遅れなデザインで、今風のネクタイよりもかなり幅が広かった。到底面接には使えそうもなかったが、同氏は一計を案じて「How to tailor」(服を仕立てる方法)とGoogle検索して裁縫を勉強し、自分の手で細くリサイズしてみた。
この努力は虚しく、その後も依然として就職先は見つからなかったが、ネクタイを作ったことは彼のその後の運命を大きく変える。そのきっかけが生まれたのは、少しでも収入の足しになればとAirBnBを運用していたときのことだ。
ある時訪れたAirBnBのゲストが、ブルクナー氏が幅詰めしたネクタイを見て、これを売ってくれないかと持ちかけてきた。さらに、君のやっていることは十分にビジネスになる可能性があるぞ、と教えてくれたという。試しに幅詰めしたネクタイの販売を知人に向けて行ってみたところこれが好評で、これを機にブルクナー氏は、「Skinny Fatties」を設立して本格的に事業をはじめることにした。
また、当時やってきたAirBnBのゲストがさらなる協力をしてくれたことも幸運だった。なんと自分が働いていたグルーポン型の共同購入サイトGilt Cityの同僚を紹介してくれ、このことがGilt CityでSkinny Fattiesのサービスのプロモーションを行うことにつながったのだ。このプロモーションはちょっとした話題となり、いくつかの米国の人気メディアサイトDetails MagazineやTime Out New Yorkなどにも取り上げられたという。
またブルクナー氏自身も積極的にメディアに働きかけ、自身のユニークな創業エピソードを書いて発信し、これも多くのメディアに取り上げられた。こうしていくつものメディアに掲載された記事を見た人が「ネクタイの幅詰め」専門のサービスに興味を持ち、次々とサイトを訪問するようになったのだった。