電動バイク普及へ、業界挙げた取り組みが活発になる事情

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実証実験を進めるなど業界を挙げて電動バイクの普及に取り組む

電動バイクの普及に向けた業界を挙げた取り組みが活発になってきた。排ガス規制の対策に有効な電動バイクだが、普及には共通規格の交換式バッテリーや交換システムが不可欠だ。メーカー各社は2019年に共通規格の交換式バッテリーの開発に向けたコンソーシアムを設立。9月下旬には、日本自動車工業会がバッテリー交換式の電動バイクの実証実験を始め、普及への課題洗いだしを進める。(取材・松崎裕)

国内では12月に新型2輪車の排ガス規制が強化され、炭化水素や窒素酸化物について規制値が厳しくなる。世界で最も厳しいとされる欧州規制「ユーロ5」に近い水準となる。継続生産車も22年11月に適用となる。排気量50cc以下の原付1種は25年11月までの猶予期間がある。

価格の安い小型車ほど排ガス規制の対応コストは割高になる。通勤や通学、ビジネス利用など日常の移動手段として重宝されてきた原付1種。自工会二輪車特別委員会の日高祥博委員長(ヤマハ発動機社長)は「(原付1種の)排ガス対策に電動化は有効な選択肢」とみる。

自工会は9月に電動バイクの普及に向け大阪大学や大阪府と連携し、バッテリー交換式の電動バイクの実証実験を始める。学生や教職員に電動バイクを有料で貸し出し、キャンパスや周辺地域の提携コンビニエンスストアの交換所に設置しておいた予備バッテリーを利用者が交換する。実証実験を通じて利便性や航続距離などの課題を抽出し、解決の足がかりにする。

ホンダ、ヤマハ発、スズキ、川崎重工業の4社は19年、電動バイクの普及促進に向けた「電動二輪車用交換式バッテリーコンソーシアム」を設立。都市部での交換式バッテリーの利便性や有効性を確認し、バッテリー交換システムの共通仕様の検証を進めている。大阪大学での実証ではこのコンソーシアムのシステムを利用する。

矢野経済研究所の調査によると25年のガソリン車を含めた2輪車の世界生産台数は、17年比29・4%増の7418万台。新興国の移動手段として引き続き拡大する見通しだ。

このうち、電動バイクは同6・7倍の170万台に達すると予測する。電動バイクの2輪車市場全体に占める割合は低いが、各国の環境規制の厳格化を背景に広がるとみられる。

2輪車向け部品メーカーの首脳は「いまは配達などに電動バイクの用途が限られている。普及には充電などインフラの整備や政策の情勢次第で大きく変わるだろう」とみる。まずは環境規制に対応する形で商用利用や限定エリアでの利用を確立し、一般利用につなげていく必要がある。

日刊工業新聞2020年9月7日

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