マクドナルド、お手頃なライバルたちと400ー500円の攻防

500円新セットは実質値上げ?コンビニ中食やチョイ呑みなどに勝てるか

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メニュー刷新など新戦略を説明するカサノバ社長
 バリューメニューの刷新をはじめとした新戦略を発表した日本マクドナルド。平日・時間帯限定だった消費税込み価格350―550円のセットメニュー「昼マック」を廃止し、26日から200円のバーガー3種と500円のセットメニューを投入する。「休日でも購入でき、わかりやすい価格体系」(カサノバ社長)と説明するが、顧客からは500円への価格統一で実質値上げとの声も出そうだ。

 マクドナルドの既存店舗は中国産の期限切れ鶏肉使用や相次ぐ異物混入事件が響き、2年近く販売の落ち込みが続いている。会見でカサノバ社長は「基本に立ち返り、顧客との信頼関係回復に努める」と強調。500円の「おてごろセット」導入に加え、従来商品の価格も見直す。7割の商品で据え置く一方、25%を値上げし、5%を値下げする。「全体で0・9%の上昇になる」(下平篤雄副社長)。

 新たに投入する200円のバーガーは、100円台の低価格商品ではボリュームが足りない、400円台では高すぎるという顧客の中間需要を狙う。
 
 外食業界では牛丼チェーンが期間限定として並盛り380円の商品を290円に値下げしているほか、コンビニエンスストアもおにぎりの100円セールなどを実施。値下げ競争が再燃する中でマックの新戦略の成果が注目される。

ファミマ「中食改革」奏功し最高益


日刊工業新聞2015年10月8日付


 ファミリーマートの2015年3―8月期連結決算は営業利益が過去最高となった。国内事業は前年度に実施した既存店への過去最大の投資が効果を生んだほか、弁当やおにぎりなど中食改革が奏功。全国の店舗網のうち三大都市圏の既存店日販を伸ばした。

 国内既存店売上高は、定番商品の弁当やおにぎり、パスタ、おでんなどの素材・製法の改革による質の向上で、前年同期比0・9%増。全店の平均日販は、52万1000円で、同4000円改善した。

 下期は「消費は不透明」(中山勇社長)とみるが、完全子会社化したココストアをファミマの看板や店舗フォーマットに転換するなどして営業利益で過去最高を目指す。

 海外事業では、中国は「経済減速が顕在化していない」とみて、フランチャイズ事業を拡大し、今後は上海市の郊外などにも出店する。
   

「飲める」吉野家へ転換加速


日刊工業新聞2015年5月5日付


 吉野家ホールディングス(HD)は、通常の牛皿などに加え居酒屋メニューを出す「吉呑み」「吉呑みチョイ」への転換を加速する。現在の店舗数は吉呑みが92店で、吉呑みチョイが62店。これを7月までにそれぞれ180店と2―3倍に一気に増やす。景気拡大で勤め帰りにアルコール類を飲む会社員が増えたことに加え、吉野家にとっては夜間の客数や客単価を増大できるメリットがある。居酒屋と違って“お通し”がないため出費を減らせるのも人気の理由で、飲酒の新スタイルになるか、注目される。
 
 吉呑みと吉呑みチョイの店舗は、昼間は通常の吉野家と同じように牛丼や牛バラ野菜焼定食、牛鮭定食などを提供する。夕方17時半になると店の入り口に看板を掲げ、赤ちょうちんをともして居酒屋メニューを扱うことを知らせる。

 1号店は東京・神田のJR神田駅前店で2013年に実験的にスタート、当初は夜間空席が目立っていた2階客席の活用と集客力アップが目的だった。評判が良いため、店舗数を一気に増やす。

 吉呑みではフードで全19品とドリンク21品(ソフトドリンク含む)、吉呑みチョイではフード5品、ドリンクではビール、角ハイボール、冷酒などを販売する。客単価はそれぞれ1200―1500円、600―700円を見込む。吉野家の牛丼並の値段は1杯380円に対し、客単価の上昇が期待できる。

 吉野家の居酒屋型店舗に加え、外食店舗では長崎ちゃんぽんのリンガーハット、天ぷらのてんやなども人気だ。これらの店舗では居酒屋と違ってお通しがないため、利用客は出費を節約できる。店の雰囲気も明るいため、居酒屋のように飲み過ぎる心配も少ない。

 客席の数も多いので居酒屋で飲んだ後の2次会需要にマッチしていることに加え、夜間はアルバイトの人件費も高く、アルコールメニューで客単価を増やせることは外食企業にとっても店営業の維持に役立つ。

日刊工業新聞2015年10月16日 4面記事を一部修正

COMMENT

村上毅
編集局ニュースセンター
デスク

個人消費が回復しているとはいえ、消費者の財布のひもは固い。消費スタイルはより賢くなっている。ボリュームだけで言えば、牛丼に野菜ジュース、おにぎり2個に惣菜で補って、というメニューならば、400円前後で収まる。現に消費増税後は、コンビニの中食が外食の受け皿となる傾向が顕著で、コンビニの業績は好調。一方で、外食チェーンは円安による原材料高、消費増税後の客数減がダブルパンチ。牛丼チェーンでは実入りの良いアルコールなど単価アップを狙う一方、本業の牛丼で実質値下げにより客数の巻き返しを図ろうとしている。食を取り巻く荒波の中で「500円」がどれだけのお手頃感が示せるか。

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