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ドコモショップを110店超を持つ富士通、携帯販売店事業を売却する理由

ドコモショップを110店超を持つ富士通、携帯販売店事業を売却する理由

写真はイメージ

富士通は31日、完全子会社の富士通パーソナルズ(FJP、東京都港区)が手がける携帯端末販売代理店(モバイル販売)事業をティーガイアに売却すると発表した。FJPの売上高の約3分の1を占めるモバイル販売事業を9月上旬に会社分割によって新会社として切り出した上で、11月2日付で全株式をティーガイアに売却する予定。売却金額は286億円。ティーガイアは住友商事系の携帯販売代理店で、シェア1位の業界最大手。

FJPはNTTドコモ向け携帯端末の販売店「ドコモショップ」を全国110店以上運営するとともに、法人向け携帯端末の販売や関連サービスなどを提供している。新会社は同事業を継承した上で、ティーガイアに売却する。売却後もFJPとティーガイアはビジネス面で連携し、店舗網の活用に加え、IoT(モノのインターネット)などの法人向けソリューションでも協力する。

今回の売却は、経営資源をソフト・サービス分野に集中する富士通の事業再編の一環。富士通はNTTドコモ向けにスマートフォンを中核とする携帯電話を開発・製造していたが、2018年に同事業を日系投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループ(東京都千代田区)に売却済み。販売代理店事業を続ける意味合いが薄れていた。富士通の携帯電話事業は連結対象外となっているが、ポラリスへの売却後に株式の30%を譲り受け、富士通ブランド「アローズ」は維持している。

日刊工業新聞2020年9月1日

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