航空部品の生産にIoT活用 三菱重工
航空エンジン、大増産の時代へ
MRJを視野
同社がIoTの活用に動きだす背景には、航空エンジン業界の活況がある。英ロールス・ロイスや米プラット・アンド・ホイットニーなどとのエンジン共同開発に参画。さらに今後、国産小型旅客機「MRJ」向けのエンジンでは国内メーカーとして初めて旅客機エンジンの最終組み立てに参入する。すでに組み立てラインの整備を済ませており、今後は既存受注品の増産と相まって仕事量は急拡大する見通しだ。
同社はIoTの活用以外にも効率の改善を進める。エンジン燃焼器の穴あけ時間を従来の9分の1にするレーザー加工機を開発。現在1機を導入済みで、今後は6台以上に増やす。
三菱重工は14年に民間航空エンジン事業を分社。IHI、日本政策投資銀行からの出資も受け、三菱重工航空エンジンを設立した。これまでもIHIに生産の一部を委託したり、中堅・中小サプライヤーによる一貫生産工場の立ち上げを支援したりしているが、今後は社内の生産改革も本格化させる考えだ。
(文=名古屋・杉本要)
日刊工業新聞 2015年10月12日機械・ロボット・航空機面