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航空部品の生産にIoT活用 三菱重工

航空エンジン、大増産の時代へ
航空部品の生産にIoT活用 三菱重工

MRJ用エンジン組み立てラインの整備が進む(愛知県小牧市)

 三菱重工業が航空エンジン事業でIoT(モノのインターネット)技術を活用した生産改革を進めている。部品にRFID(無線識別)タグをつけて個別に生産の進捗(ちょく)を管理。これに工作機械の設備情報や加工条件といった項目をひも付けし、生産効率を向上させる。背景にあるのは、今後圧倒的に増えると予測される仕事量だ。受注拡大を機にモノづくりの高度化を目指す。
 

人を増やせない・・・


 「売上高は2倍、3倍と増えていく。しかし人員はそれほど増やせない」―。三菱重工航空エンジン(愛知県小牧市)の島内克幸社長は“うれしい悲鳴”を上げる。同社の売上高は2020年代前半に現在比約3倍の1000億円を超え、その後も増える見通しだ。生産量拡大に人員増だけでは追いつかず、生産効率の向上が課題になっている。
 現場改革の切り札がIoTの活用だ。もともとエンジンのタービンブレードには個々にRFIDタグを付けており、「IoTを使った生産管理をしやすい環境にある」(島内社長)。これに工作機械の設備情報や加工条件、素材データなどを結合。生産工程の最適な管理や、異常が出る前にその兆候をつかむ「予防安全」につなげる考えだ。

MRJを視野


日刊工業新聞 2015年10月12日機械・ロボット・航空機面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
先日は「航空エンジン大増産に備える川崎重工の『本気』」(http://newswitch.jp/p/2030)という記事を紹介しましたが、今度は三菱重工です。航空機のエンジン部品各社は、今後数年で2倍、3倍と増えていく仕事量をどう消化するかに四苦八苦しています。もちろん、お金をかけて設備を導入すれば消化できるのでしょうが、それでは投資額が膨らんでしまいます。この分野では今後、生産効率の向上に向けた取り組みがいくつも生まれると思います。

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