ドコモが投入、5Gスマホの普及モデルは「5-8万円」
NTTドコモの吉沢和弘社長は9日までに日刊工業新聞の取材に応じ、2020年度後半に投入予定である第5世代通信(5G)スマートフォンの普及モデルの価格を、5万―8万円とする方針を明らかにした。足元の5Gサービス契約数は17万にとどまるが、廉価な機種の発売で20年度末には250万を目指す。未定としてきた21年3月期連結業績予想については、営業増益を確保できるとの見解を新たに示した。
ドコモは20年3月に5Gサービスを商用化し、3月末までの累計契約数は1万4000だった。今回、7月6日時点の実績を17万と明らかにした。発売中の5G端末は10万円程度の機種が主体であるため、普及モデルの投入によって販売に弾みをつける。「(5Gが使える)エリアの拡大と相まって顧客が増えてくる」(吉沢社長)。
ただ、第4世代通信(4G)を含めた端末の販売収入全体は19年度からの苦戦傾向が続く見通しで、吉沢社長は21年3月期連結決算(国際会計基準)の売上高が減収になる可能性を示した。一方で営業利益は販売関連費用の減少や、その他のコスト効率化などで増益を確保できるとした。正式な業績予想は8月に発表する方針。
新型コロナウイルス感染症の影響については、「(顧客とのやりとりなどで)ウェブでの対応ができると分かったので、めどがつく」と語った。
日刊工業新聞2020年7月10日