「3密」回避で商機拡大、老舗重電メーカーが電磁ブレーキ増産
シンフォニアテクノロジーは電磁ブレーキを増産する。中国で新型コロナウイルス感染症が収束傾向となり需要が回復しているほか、3密(密閉、密集、密接)を回避するための省人化投資が活発化しており、商機が広がっているという。いち早く顧客に届けるため、仕様をある程度標準化した制動用の無励磁作動形電磁ブレーキを市場投入した。ブレーキ製品の国内外の販売を3年後に現状比約2倍の100億円に引き上げる。
ギヤードモーターや電動シャッター、立体駐車場などに使われる「無励磁作動形電磁ブレーキSBM形」に、従来製品に比べて耐久性を8倍にした上で、厚みを同半分の28ミリメートルと薄型化した新製品を追加した。製品交換の頻度を大幅に減らせ、搭載機器の省スペース化に貢献する。新製品投入するにあたり、心臓部の専用の摩擦材を開発し、量産に入った。
新型コロナの影響で2―4月頃はブレーキ製品の販売が2割程度縮小したが、足元では急回復しているという。同社は日本や中国での市場規模が2023年にも現状比1・5倍の250億円に膨らむとみている。
伊勢製作所(三重県伊勢市)と中国天津市の工場で手がけており、増産に向けた設備投資を実施済み。今後は電磁クラッチを含め、シンフォニアマイクロテック(兵庫県明石市)や大崎電業社(東京都大田区)などグループ会社を含めた最適生産体制を模索し、顧客の要望に迅速に対応していく。
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日刊工業新聞2020年7月6日