圧倒的な主役意識を持って。ライオンの“働きがい改革”の中身

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ケース討議の様子

ライオンは自発的に働く社員の人材育成に挑む。独自のeラーニング講座「ライオン・キャリアビレッジ」に2000以上のコンテンツを用意し、社員が自由に学べる体制を整えている。同社は社員がそれぞれのキャリアを自由にデザインできるようなサポートも行う。相談窓口を用意しているほか、集合研修を実施する予定だ。(取材・門脇花梨)

「当社は“働きがい改革”を進めている」。人材開発センターの山内あずさダイバーシティ専任部長はライオンによる独自の取り組みを紹介する。自分のキャリアを自分で描き、必要なことを学べる環境を整える。

ライオン・キャリアビレッジは2019年1月に始まり、社員向けに独自のコンテンツを設けた。次にやってみたい他部署の仕事を学ぶなど活用方法はそれぞれ。所属に関係なく、学びたい分野をいつでも学べる。すでに社員の7割が「利用経験あり」と回答。新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務となった4月は視聴数が通常の約5倍になった。

特定の議題を決めて少人数で話し合うプログラム「ケース討議」もある。まだマネジメント職になっていない社員でも仕事上で発生する可能性がある、さまざまな問題を疑似体験できる。判断機会を与え、自分で考えてもらうのが狙いだ。議題は震災時の物流など事実を基に設定する。

山内部長は「どうしても一方通行になってしまうeラーニングを補う。今後、こうしたお互いを高め合えるコンテンツを増やしたい」と意気込む。

キャリアデザインを描くことに関しても専用窓口を設置し、サポートしている。評価面談とは別に、今後のキャリアを考える面談が可能だ。自分が会社でどんなことをやりたいのか、そのために必要なことは何か、具体的にイメージできるようにする。

近く若年層と40代以上の社員、それぞれに向けた集合研修を実施する計画だ。60歳以降も含めたキャリアを考えられるようにする。いかに“自分の人生を自分で作る”という意識改革につなげられるかが研修の狙いとなっている。

「自分自身の価値を再構築してもらうため意識改革を促す。やりたいことが明確になったら、次はそれを可能にするステージを提供する。自発的に仕事がしたいと思える環境をつくれれば」(山内部長)と期待を込める。

同社は申告制による副業を認めている。一定の条件はあるが、社員がやりたいことを実現するのに必要であれば認める方向だ。上司の命令に従うのではなく、自分から仕事を見つけて動く社員の育成を目指す。

新型コロナ感染拡大を機に企業の間で在宅勤務が広がる今、働き方は大きく変わろうとしている。ただ、変わるのは方法だけでモチベーションの維持は永遠の課題と言える。

山内部長は「圧倒的な主役意識を持って働いてほしい」と笑顔を見せる。社内の活性化と成長に向けた同社の働きがい改革の行方に注目が集まりそうだ。

日刊工業新聞2020年6月24日

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