J3初参戦のFC今治、コロナ禍の船出で軌道に乗せられるか

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J3開幕を控え練習に臨む選手たち(FC今治提供)

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中断を余儀なくされていたサッカーJリーグ。J1は7月4日に、J2は6月27日に再開予定で、J3も27日に開幕を迎える。そのJ3で今季、日本フットボールリーグ(JFL)から初参戦するのが愛媛県今治市を本拠とするFC今治だ。愛媛県内のJリーグチームはJ2の愛媛FCに次ぎ2チーム目、四国全体では4チーム目だ。逆風下での船出となるが、チームは無事軌道に乗ることができるか。(大阪編集委員・林武志、松山支局長・西村和憲)

今治市には今治造船に代表される造船産業や世界に名が知られる「今治タオル」の繊維関連産業、観光名所にもなる宮殿を模した工場を持つ調味料製造の日本食研ホールディングスなど、モノづくりが盛んな地域だ。

ここでクラブチームとして創設し、2012年にチーム名を現在の名称に変更したのがFC今治だ。14年、岡田武史元日本代表監督が運営会社、今治.夢スポーツ(愛媛県今治市)のオーナーとしてクラブ経営に携わったことが転機となり、新たな動きが出てきた。

チームが四国リーグからJFLで奮闘する中、岡田氏はチーム強化以外に知名度を生かし、スポンサー獲得など経営面でも尽力。J3参戦の条件である収容人員5000人以上のホームスタジアムを17年に完成した。

今治市は愛媛県と広島県尾道市とを結ぶ「しまなみ海道」の四国側拠点でもある。地域の特徴を生かし、岡田氏は「愛媛以外のサポーターにも来場してもらえる環境づくりに力を入れたい」と、尾道市などでも本拠試合を開催してきた。「エリアで支援されるチームに」(岡田氏)なることが狙いだ。

ただ、愛媛県内には松山市本拠のJ2愛媛FCもある。同一リーグの直接対決“ダービー”が実現すれば盛り上がることは間違いないが、新規サポーター獲得などでは課題もありそうだ。

新型コロナの影響で初参入のJ3も無観客で開催する。収益面で厳しい船出となるが、主将の楠美圭史選手は「本当にこの日を待ちわびていた。皆さんに試合を見てもらえることを楽しみにしてしっかり準備をしたい」と前を見据える。

プロスポーツにおける真剣勝負だからこそ目指すは一つでも上へ。上位で戦うにつれてスタジアムの大規模化が求められる。当面の目標、J2昇格には新スタジアム建設も条件となる。FC今治にとって、勝ち星こそ最高のカンフル剤になるが「スポーツが事業として成り立つように」と、汗をかいてきた岡田氏の挑戦もこれからが本番だ。

日刊工業新聞2020年6月24日

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Jリーグ 新型コロナ

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