JR上場4社、株式持ち合い拡大のワケ

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JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州のJR上場4社が3月までに、株式の持ち合いを拡大したことが分かった。中でも本州3社それぞれのJR九州に対する出資比率は1%を超えた。4社は2016年10月のJR九州上場を機に、持ち合いを開始し、事実上の資本提携関係にある。その後は当初の出資比率を維持してきたが、旧国鉄を母体に公共交通事業を営むJRグループとして、連帯を図るためにも関係強化に至った。

JR4社は「独自の経営判断で」(各社広報)他社の株式を追加取得した。安全性向上や事業効率化に向けた技術開発の協力や観光キャンペーン、MaaS(統合型移動サービス)での連携などが理由。4社は他社への出資比率を従来比2―4倍に高めており、他3社の株を時価換算で50億―90億円程度持つ。

JRグループは国鉄分割民営化後、資本関係がなかった期間も技術や営業、発券システムなどで連携を図ってきた。JR入社世代が多数を占めるようになり、国鉄時代からの人的関係も薄れつつある。新型コロナウイルス感染症に伴う移動需要低迷からの反転攻勢においても、非上場のJR北海道、JR四国を含む旅客6社が協力して需要を喚起する映像を製作し、キャンペーンなどを企画する。

JR九州は、19年・20年の株主総会が大株主の外資ファンドから出された株主提案によって揺れた。事業運営に理解を得られる安定株主の確保は上場以来の課題だった。

日刊工業新聞2020年6月25日

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JR MaaS

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