ニュースイッチ

前腕置くだけ!熱中症リスクの簡易測定器、今夏に実証開始

来春にも量産化へ
前腕置くだけ!熱中症リスクの簡易測定器、今夏に実証開始

前腕を置くだけで熱中症のリスクを測定する

ライフ(埼玉県越谷市、古川誠社長、048・990・8201)は熱中症予防対策機器の試作品を開発した。今夏中にも実証実験を始める予定。蒸散度、温感度、心拍測定の三つのパラメーターによる独自のアルゴリズムを用いる。熱中症に対する個々の身体的なリスクを事前に把握し、重症化の予防につなげる。熱中症に精通した医師グループなどによる製品評価を実施し、来春の量産化を目指す。

熱中症や脱水症の発症リスクを評価する装置で、東北の電設大手と連携し、暑熱下の作業現場を想定して負荷をかけた実験で検証する。センサーやペルチェ素子などの電子部品、さらにマイコンやアルゴリズムの開発と現場評価を並行して行い、医療機関や大学の指導を受けながらエビデンスを確立する。

ライフが開発した口腔水分計で採用する湿潤度センサー技術を活用し、発汗度合いを調べる蒸散度を測定。さらに機器から発する熱の感応度を調べる温感度、心拍数の二つの指標を加え、発症リスクを割り出す。同装置は所定の位置に前腕を置くだけで簡単に測定できる。製造現場や介護施設、学校など幅広い用途を想定する。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、日常生活におけるマスク装着による熱中症対策の重要性が指摘されている。古川社長は「熱中症と似たような初期症状と言われている新型コロナウイルス感染症を含め体調変化の早期発見に役立てていく」としている。

日刊工業新聞2020年6月23日

編集部のおすすめ