“おいしい昆虫食”普及へ!コオロギ粉末をうま味原料に活用

次世代のたんぱく源として注目

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うま味原料としてコオロギ粉末の活用を提案

うま味成分が多い食材といえば昆布やかつおぶしなどを思い浮かべるが、実は昆虫にもうま味がある。BugMo(京都市上京区、松居佑典最高経営責任者〈CEO〉、075・417・0115)は、食品メーカーなどと共同でコオロギ粉末をうま味原料として活用する事業に乗り出した。目指すは、おいしい昆虫食の普及だ。

BugMoはベトナムで養殖したコオロギを粉末にして食品メーカーへ提供するほか、この粉末を使ったオリジナル商品「クリケットバー」を販売。同商品は「ナッツのような風味」(松居CEO)で、たんぱく質を豊富に含む。コオロギ粉末は低脂質のプロテインとして愛用するアスリートらもいる。

この粉末を栄養食品やサプリメントだけでなく、味を生かして食品に加工する取り組みも始まった。小麦粉の数%をコオロギ粉末に代えると雑穀米のような風味が出るという。そこで同社は食品メーカーと“コオロギパン”の開発に着手した。

ほかにもコオロギ粉末を使っただしみその開発も進める。この粉末を食品に添加するとうまみ成分のグルタミン酸が増し、おいしく感じられるという。

さまざまな食品に展開できる理由は「養殖法で風味をコントロールできる」(同)ためだ。コオロギの風味は甲殻類に例えられることが多いが、エサや飼育環境を調整することで貝や木の実のように味を変えられる。独自の飼料配合や生育方法が強みとなっている。

現在、コオロギの安定供給を目指し、自動養殖システムを開発中だ。20フィートコンテナを一つのモジュールとし、エサやりから収穫まで全自動で行う。エサには米ぬかや大豆かすなど農業の副産物を利用できるため、農家の副業にもなる。今夏をめどに稼働を目指す。

次世代のたんぱく源として注目を集める昆虫食。松居CEOは「おいしさで選んでもらいたい」と話す。うま味原料としての利用はその一歩だ。味を究めるための試行錯誤は続く。(大阪・大川藍)

日刊工業新聞2020年6月23日

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