コロナの影響は?政府が決定した「科学技術の未来予想」の中身
政府は16日、2020年版の科学技術白書を閣議決定した。科学技術の未来予測を主テーマに、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)の調査を取り上げた。新型コロナウイルス感染症の流行前の報告では、感染症を判定する超軽量センサー実現のめどは科学技術的には29年、実用化は31年だった。新型コロナ対応で超スマート社会「ソサエティー5・0」実現が早まるとみて、NISTEPはアップデートの調査を検討している。
白書は冒頭、新型コロナの4月までの状況、特に診断・治療法やワクチンの研究開発について記した。NISTEPの「科学技術予測調査」は、科学技術基本計画の策定に合わせて5年ごとに実施している。21年度からの第6期計画に向けた調査結果は、19年秋に公表している。
同調査では約700の科学技術課題を産学官の専門家約5300人にアンケート。地域市民のワークショップなどと合わせて未来社会を描いている。
このうち感染症関連で、感染や血液成分をモニタリングするウエアラブルデバイス実現のめどは、科学技術的には28年、実用化は31年だった。感染の有無や他者への感染性、未感染者の感受性などのセンサーとほぼ同時期だ。
白書ではこれらを含む40年の社会全体のイメージをイラストで紹介した。
日刊工業新聞2020年6月17日