サイバー空間に現実を再現して管理!三菱ケミカルが進めるDX

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三菱ケミカルは化学プラントのデジタルツイン構築に着手(イメージ)

三菱ケミカルは、化学プラントの「デジタルツイン=用語参照」構築に着手した。サイバー空間上に、現実のプラントの運転状態と物理的構造を再現する。シミュレーションなどを活用し、生産性の向上や異常検知、プラントの運営・管理の効率化を図る。スマートグラスや設備のセンシングなどとの相乗効果も期待できる。プラントのデジタル変革(DX)の主要技術として注力する。

デジタル変革の主要技術に

三菱ケミカルは、運転状態と物理的構造に分けて、デジタルツインに取り組む。運転状態のシミュレーションによって、理想の運転状態と現実を比較して異常を検知するほか、安全と性能限界を両立して生産量を増やすことなどを想定する。

また、プラントの構造データを拡張現実や仮想現実(AR/VR)画像として表示し、設備のリアルタイム情報などと組み合わせることで、現場での作業支援や設備工事の検討に活用する。

現在、国内の一部プラントで技術確立を進めており、その後、利用範囲を広げる。同社はプラント数が多く、デジタルツインを運用する人材や環境インフラの整備も必要なため、中長期的な取り組みとなりそうだ。

デジタルツイン技術は世界的に米GEや独シーメンスがけん引し、国内機械業界も注力している。三菱ケミカルは、経年変化や改造工事といった化学プラントならではの難しさを踏まえ、モデルの維持管理方法を含めて検討する。

同社はデジタルツインだけでなく、人工知能(AI)や飛行ロボット(ドローン)、センサーを活用した多様なDXの取り組みを通じ、グローバル競争で勝てる国内生産体制を目指す。

【用語】デジタルツイン=サイバー空間内にフィジカル空間(実在の空間)の環境を再現したモデル。フィジカル空間の情報をリアルタイムで受け取り、常に状態を更新する。フィジカル空間のモニタリングやシミュレーションなどを行うことができ、一般的に、生産のリードタイム短縮や適正な生産量と在庫管理、問題発生時の原因究明と影響範囲の特定、製品や設備の予防保守などに活用できる。

日刊工業新聞2020年6月11日

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