銀河系3次元立体地図を作る。国立天文台の「VERAプロジェクト」とは?

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VERAプロジェクトで使用する直径20メートルの電波望遠鏡(国立天文台水沢観測所)

国立天文台は、予算削減により今月中に前倒しで終了する予定だった銀河系3次元立体地図作成プロジェクト「VERA(ベラ)」を、2020年度末(21年3月)まで継続する方向で再検討を始めた。天文台長が使える「リーダーシップ経費」を活用する予定で6月末までに結論を出す。20年度末までプロジェクトが継続される可能性が出てきた。常田佐久台長が日刊工業新聞の取材に答えた。当初計画通りの21年度までの継続も目指す。

プロジェクトを進める水沢観測所(岩手県奥州市)の20年度予算が前年度比で半減し、6月中旬に終了することを3月に観測所が発表していた。大学や研究機関から継続の声が多く寄せられたほか、地元やネットでも署名活動が広がるなど動向が注目されていた。

リーダーシップ経費は天文台長の判断で開発や設備投資を行う資金。常田台長は「VERAプロジェクトの継続を大いに期待している。できれば21年度まで続けて研究者の期待に応えたい」と語る。

VERAプロジェクトは03年に開始。銀河系の3次元立体地図を作ることで、精密な星の位置や動きが明らかになる。遠い場所にある複数の電波望遠鏡が協力して仮想的な巨大望遠鏡を作る「超長基線電波干渉法(VLBI)」を活用する。天体の距離と運動を高精度で計測して銀河系の詳細を明らかにする。

岩手県奥州市の水沢観測所のほか、入来(鹿児島県薩摩川内市)、小笠原(小笠原諸島父島)、石垣島(沖縄県石垣市)の4観測局にある直径20メートルの電波望遠鏡を組み合わせ、直径2300キロメートルの望遠鏡と同じ性能を発揮できる。

日刊工業新聞2020年6月4日

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