エアコンは?テレビは?冷蔵庫は?家電出荷、新型コロナで明暗
白物家電と、薄型テレビなど黒物家電の4月の国内出荷実績がそれぞれ26日に発表され、いずれも7カ月連続で前年同月を下回った。新型コロナウイルス感染症拡大による販売店の休業や営業時間の短縮、外出自粛などが響き伸び悩みが続いている。
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日本電機工業会(JEMA)の調査によると、4月の白物家電の国内出荷額は前年同月比4・6%減の1713億円。主要製品ではエアコンの出荷額が同14・3%減の469億円で7カ月連続マイナス。洗濯機は同2・1%減の292億円と5カ月連続で減少した。
一方で冷蔵庫は同2%増の315億円で3カ月ぶりのプラス。電子レンジをはじめ一部の調理家電も堅調に推移した。新型コロナに関連した外出自粛で、消費者のまとめ買いや内食が増え、需要が活発化した模様。
電子情報技術産業協会(JEITA)がまとめた4月の黒物家電を主とする民生用電子機器の国内出荷額は、同14・9%減の820億円。薄型テレビを含む映像機器の出荷額は同10・3%減の377億円だった。
多くの製品で出荷台数が伸び悩む中、薄型テレビは同6・1%増の35万2000台と健闘した。新型コロナ影響で新年度商戦が4月にずれ込んだことや買い替え需要、外出自粛による巣ごもり需要が支えた。
JEITAによると、20年のテレビ出荷は五輪需要が買い替えを後押しする形で安定的に推移する見通しだった。状況は変わったが、今後も高単価製品を中心におおよそ堅調に推移すると見込む。
それでも、新生活需要があるはずの小型テレビの低迷など新型コロナによる影響は無視できない。特に個人消費の冷え込みは大きな不安要素。国内企業は台頭する海外メーカーや激しい価格競争への対応を引き続き迫られる。
日刊工業新聞2020年5月27日