コネクテッドカーを守る…量子計算機でも解読が難しい暗号方式「PQC」とは?

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デジサート・ジャパン(東京都中央区、平岩義正日本代表、03・4560・3900)は、6月に電子証明書発行システムを通じて、量子計算機でも解読が難しい暗号化方式「耐量子計算機暗号(PQC)」のツールキットの提供を始める。先駆けて、27日に耐量子技術の理解や脅威への備えの達成レベルを測る「PQC成熟度モデル」を公開する。これにより、量子計算機が既存の暗号化技術にもたらす脅威への準備や次世代技術への移行を支援する。

親会社の米デジサートはインターネット上の脅威である成りすましや改ざんなどを防ぐ公開鍵暗号(PKI)基盤や、SSL(インターネット上のデータ通信を暗号化する通信規約)サーバー証明書などの電子証明書発行の大手ベンダー。

ツールキットは企業の技術者が既存の暗号アルゴリズムと、耐量子計算機アルゴリズムを組み合わせたハイブリッド証明書のテストが可能。本格的な量子時代の到来を見据え、量子アルゴリズムへの移行に向けた適切な準備ができる。

公開するPQC成熟度モデルは初心者、実習生、実践家、マスターの各レベルを定義し、モデル別にセキュリティーリスクへの対処や学ぶべきことなどを示す。併せて、初心者同等の知識でかつ効果が実証されていない対策で備えを始める「オレ流」などの回避すべきタイプも指摘する。

量子計算機は量子力学の原理に基づいて、指数関数的に増える膨大な計算を並列で処理する超高速マシン。既存の暗号化アルゴリズムの安全性を担保する「素因数分解」を高速に解けることが理論的に示されている。

本格的な量子時代の到来は「10年以上先」とされているが、デジサートの最新調査によると、少ない量子ビット数の計算機でも素早く解にたどり着けることが分かった。2022年には脅威が現実化するとの予測もあり、暗号化業界に衝撃が走っているという。

こうした脅威はオフィス業務はもとより、コネクテッドカー(つながる車)をはじめIoT(モノのインターネット)機器などにも破壊的な脅威をもたらすことが懸念され、PQCへの早期対応が問われている。

日刊工業新聞2020年4月27日

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量子計算機

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