左前頭葉の訓練でうつ病改善、小型脳活動計測装置の仕組み

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写真はイメージ

広島大学の山脇成人特任教授と高村真広特任助教の研究グループは、うつ病患者が、脳の浅い領域にある左前頭葉をニューロフィードバック(NF)による訓練で脳の活動を高め、自身で症状を改善する新たなうつ病の治療法を開発した。今まで島皮質など脳の深い領域での改善報告はあったが、浅い左前頭葉で発見したのは初という。

大型の機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)を使わず、出力の小さい機器でも効果が期待できる。今後は治験数を増やし、精神科クリニックや自宅で使える小型脳活動計測装置の開発を急ぐ。早ければ5年後の製品化を目指す。

同研究は、2016―20年度の日本医療研究開発機構(AMED)の脳科学研究戦略推進プログラムの一環。これまでの研究から、うつ病により左前頭葉の活動が低下することが確かめられている。

実験では薬の効かない6人の患者にfMRIで自身の左前頭葉の活動を簡単なグラフなどに可視化。リアルタイムで見ながら、活動を高めるイメージを想像する訓練を1回当たり8分間、1日1―3回5日間実施した。

高めるイメージは、山登りや暗算など、個人差はあるが、実験の結果、患者自ら評価するうつ病重症度(BDI)は平均値で訓練前と後で28から17に減り、約4割改善した。

NFは、fMRIで自分の脳活動をリアルタイムで見ながら、患者自身が脳活動を高める手法。従来の抗うつ薬や精神療法によるうつ病の治療は、限界に近く、新たな治療法が求められている。

日刊工業新聞2020年4月27日

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うつ病 広島大学

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