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「うちで食べよう」で岩谷産業がカセットボンベ5割増産

岩谷産業は国内トップシェアを持つカセットボンベの国内生産で、前年比1・5倍の増産を継続する。中国で新型コロナウイルスの感染拡大が発覚した1月下旬からボンベの需要が拡大、増産に入った。外出を控え家庭での食事が増え、ボンベとボンベを使用する卓上式調理器具の需要が伸びているのが背景という。全国で緊急事態宣言が発令され、さらに需要は伸びると想定し、当面は増産体制を維持していく。

岩谷産業のカセットボンベは滋賀県近江八幡市に専用工場を設け、2016年から国内生産している。年間生産能力は2500万本で、現状はまだ生産に余力があるという。国内工場を整備する前は、ボンベの多くを海外メーカーに製造委託していたが、国内で自前拠点を設けたことで迅速に生産対応できるようにした。

同社では「外出自粛で、たこ焼きなど家族だんらんの食事をする人が増え、カセットボンベ関連商品は拡大傾向にある」(広報部)とする。

岩谷は69年にカセットボンベと卓上式こんろを商品化。国内シェアはボンベが57%、こんろは80%と、いずれもトップを誇る。野外に持ち歩きしやすいアウトドア用途や、災害時の防災用としてもニーズを得て、日本と中国で市場シェアを拡大している。

日刊工業新聞2020年4月15日

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