大阪一丸となって支援!スタートアップの芽を育てよう

支援一丸 試される覚悟

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24年にはうめきた2期区域の街開きが予定されている

【好循環支える】

スタートアップへの支援が集まりにくく、定着しにくいと言われた大阪で、新しい成長の芽が育ち始めた。駐車場シェアリング業界首位のakippa(大阪市浪速区)。SOMPOホールディングス(HD)の出資を受け、駐車場拠点数を一段と拡大する。飲食業の求人サービスを手がけるクックビズ(大阪市北区)は2017年にマザーズへ上場、売り上げは年率約20%で急成長中だ。いずれも大阪へ本拠地を構え、後発のスタートアップへの支援や投資にも積極的に乗り出している。

エコシステムの好循環を支えるのがJR大阪駅北側の再開発地区「うめきた」を中心に点在する官民のスタートアップ支援拠点だ。グランフロント大阪の「イノベーションハブ」では事業発表の場であるピッチやビジネスコンテストが頻繁に開かれる。在阪企業の登竜門となっている市の「OIHシードアクセラレーションプログラム」からは約80社が巣立ち、4年で総額81億円の資金を調達した。阪急電鉄の会員制オフィス「GVH#5」にも国内外から多くの起業家が集まる。

【官民が連携】

一方、他の大都市に比べ大阪のスタートアップ支援の“顔”が見えにくいという課題も残る。自治体トップが先頭に立って国内外への投資を呼びかける福岡市や神戸市などと異なり、大阪では各機関が個々に支援を行うため一体感に欠け、存在感が薄いのが実情だ。

こうした問題を克服しようと、19年に大阪府・市、大阪産業局と在阪経済団体が連携し「大阪スタートアップ・エコシステムコンソーシアム」を発足。京都府や兵庫県などとともに政府の集中支援が受けられる「グローバル拠点都市」への選定を目指す。大阪府の吉村洋文知事は「西日本の経済の中心地としての役割をスタートアップの分野でも果たしたい」と話し、スタートアップ支援を加速する方針を示す。

24年にはうめきた2期区域の街開きが予定され、「みどりとイノベーションの融合」をテーマにした事業創出拠点がお目見えする。また25年には大阪・関西万博が開幕し、世界へ大阪をアピールするための追い風も吹く。

【存在価値示す時】

新型コロナウイルスの影響による経済への打撃は深刻だが、大阪を国際ビジネス拠点に成長させるためにもスタートアップは欠かせない。非常時こそ支援の手を緩めず、大阪版ベンチャーエコシステムの存在価値を示す時。 「人々の生活が大きく変わる今こそスタートアップ飛躍のチャンス」(日本総合研究所の東博暢プリンシパル)。官民ともに覚悟が今まさに試されている。(大阪・大川藍)

日刊工業新聞2020年4月10日

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