【新型コロナ】異例の入社式、企業トップは何を語ったか
全国の多くの企業が1日、新規学卒者らを迎えた。ただ新型コロナウイルス感染症が広がる中、例年の入社式の形式を変更しトップのメッセージをインターネット配信したり、マスク着用で感染対策を徹底したりと異例の式典が相次いだ。各社トップは、社員一丸となって“コロナ危機”を乗り切ろうとのメッセージや、挑戦を求めるメッセージを新入社員に伝えた。
日立製作所の東原敏昭社長は1日、2020年度新入社員向けメッセージで「日立グループは一丸となってこの危機を乗り越えていく」と新型コロナ感染症問題に対する決意を語り、「安全・健康を第一に行動して下さい」と呼びかけた。同社は同日の入社式を中止し、今回のビデオメッセージは新入社員が各配属先にてDVDや社内イントラネット経由などで視聴した。20年度の新入社員数は約600人。
パナソニックも特定の会場を設けず、新入社員向けに専用ページを通じて動画を配信。約700人の新入社員は自宅などから各自、動画を閲覧した。津賀一宏社長は、19年に米国グーグルから招聘(しょうへい)した松岡陽子フェローを例に出し「パナソニックを変える主役は自分自身だという思いを持ち、挑戦を重ねてほしい」と語った。その上で「その際は決して失敗を恐れないこと。スピードを上げて小さな失敗を重ね、成功に向けた次の手を打つことが重要だ」と激励した。
一方、西日本シティ銀行は入行式を福岡市中央区で開いた。全員がマスク着用で臨み、新入行員の会場入館時には検温と手指消毒を実施するなど、新型コロナ感染拡大の防止を徹底した。154人が入行した。新型コロナに関し谷川浩道頭取は「強い危機感を持ち、お客さまを支えることが地銀の大切な使命だ」と訓示した。新入行員からは「不安や戸惑いもあったが、入行式をやっていただきありがたい」との声や「新型コロナに負けず、融資などを通じて社会を根底から支えたい」との意気込みが聞かれた。