埼玉県内の課題の異なる5地域をファンドで支援!埼玉縣信金の取り組み

空き店舗活用や歴史的建造物保全 地域価値向上狙う

  • 0
  • 0
埼玉県内の課題の異なる5地域をファンドで支援する

埼玉縣信用金庫(埼玉県熊谷市)は、全国に約260ある信金の中で預金積み金残高は全国4位、貸出金残高は同3位(2月末時点)と全国トップクラスの信金だ。埼玉県全域と隣接都県の一部を営業区域として、店舗数は96店舗と幅広いネットワークを持つ。

埼玉縣信金は、地域活性化に熱心な地域を支援しようと「さいしん まちづくりファンド」を創設した。空き店舗を活用したまちづくりや歴史的建造物の保全を進める。同信金と民間都市開発推進機構がそれぞれ6000万円を出資。ファンド総額は1億2000万円となった。有限責任事業組合(LLP)として運用している。

異なる課題を持つ県内5地域の支援に取り組む。さいたま市岩槻区や越谷市、草加市では中心地の空き店舗を利用し、にぎわいの創出を図る。歴史的建造物のある川越市や小川町では、建造物の保全により街の魅力を高める。

具体的には空き店舗や古民家をリノベーションし、商業施設や交流施設を整備・運営する民間のまちづくり事業者の社債取得や出資という形で投資する。1案件当たりの投資額は500万―1000万円がボリュームゾーンになるとみられる。具体的な数値目標は追わず、長期的に地域を支援していく。

インタビュー/埼玉縣信用金庫理事長・橋本義昭氏 専門性備えた人材育成に力

埼玉縣信用金庫理事長・橋本義昭氏

―取引先企業の抱える課題は。

「足元では新型コロナウイルスの影響について『既に受けている』、『今後影響が出る』との声が多数ある。全力で金融支援に取り組んでいく。新型コロナを除いた従来の課題としてはマッチング機会の創出、事業承継、人材の確保の三つが強く求められている」

―具体的にどんな対策を講じていますか。

「マッチング支援として『さいしんビジネスフェア』を2年に1回開催している。各支店が企業の営業担当となって宣伝するため、その企業への理解も深まる。出展は原則無料で業種が偏らないように工夫している。事業承継は相続など複雑な事象が絡み合うので、信金キャピタルなど外部の知見を活用しながら取り組んでいる。そのほか若手経営塾を行っており、これまで約200人を輩出した。同塾の卒業生を対象とした若手経営者らの育成支援組織『ささらの会』も立ち上げた」

―埼玉県は県外の金融機関が進出するなど競合が激しいです。

「金利条件に関わらず『さいしんが良い』と、当金庫を選んでもらえるようなパートナーシップを築いていく。4月には新たな人事制度の運用を開始し、専門性の高い知識を備えた人材の育成にも力を入れていく」(さいたま・石井栞)

日刊工業新聞2020年3月31日

関連する記事はこちら

特集