地域の心強い味方!城南信金の創業支援方法

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創業支援施設「Jクリエイトプラス」

地域経済の黒子である信用金庫の存在感が高まっている。歴史的な低金利により厳しい経営環境が続く中、銀行は海外事業や証券ビジネス、事業エリア拡大に力を入れる。一方で、法律で営業エリアを限定される信金は腹をくくって地域の課題解決や経済活性化に取り組む姿が目立つ。そこで各地の信金を訪問し、地域活性化の取り組みを紹介する。第1回は東京都南部を中心に展開する城南信用金庫(東京都品川区)。

教室開講など 起業検討段階で後押し

城南信用金庫の発祥の地の一つである東京都大田区は「町工場」と呼ばれる中小製造業の集積地。だが、企業数の減少が続き、かつて約9000社が立地したが、現在は約3000社ほどだ。この減少を食い止めるべく、城南信金はさまざまな創業支援サービスを提供している。

特徴的なのが創業支援施設「Jクリエイトプラス」だ。蓮沼支店(同大田区)の3階に開設した。もともと書類用倉庫だったが、事務作業のペーパーレス化を進めた結果、空きスペースが出たため転用した。金融機関が支店内に創業支援施設を設けるのは珍しい。

Jクリエイトプラスには現在9社が入居し満室状態。だが、家賃が格安なこともあり、「月に2―3回は入居の問い合わせがある」(城南信金)という。入居企業は中小企業診断士による経営診断が月1回受けられる。入居企業からは「城南信金の創業支援施設に入っていることで顧客の信頼を得られ、商談がスムーズに進む」と評価の声も出ている。

城南信金は起業した人だけでなく、起業を検討する人も後押しするため、創業支援教室も開催。創業支援ファンドも設立するなど融資以外の資金支援も充実させ、地域の創業増加に一役買っている。

【インタビュー/理事長 川本恭治氏 真摯に取引先の課題解決】

理事長 川本恭治氏

―地域の課題は。

「城南地域では中小製造業の廃業が増え続けている。当金庫でヒアリングしたところ、取引先の6割強が後継者不足だった。地域では事業承継やM&A(合併・買収)支援のニーズが高まっており、1年前に比べ関連する相談は10倍以上に増えている」

―中小企業の声をどのように集めて解決していきますか。

「7月3日に大田区で開業する産業施設『羽田イノベーションシティ』内に『城南なんでも相談プラザ』を設ける。同プラザは融資だけでなく、あらゆる相談をいつでも受け付ける窓口だ。品川区の本店にしかなかったが、大田区で初の相談プラザとなる。当金庫は170者の専門家、専門機関と提携しており、あらゆる質問に答えられる用意がある。ぜひ気軽に訪ねてもらいたい」

―低金利環境が続く見通しです。

「当金庫も収益環境は決してよくない。ただ、こういった時こそ短期的な利益を追いかけてはいけない。単純な金利競争や投資商品の販売は行わず、取引先の課題解決に愚直に取り組む。当社は金融機関の枠を超えた『お客様応援企業』を目指しており、それが最終的に利益につながると考えている」

日刊工業新聞2020年3月24日

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