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自動運転の経路計画、危険動作をAIで検出

国立情報学研究所の石川冬樹准教授らは、マツダの研究用モデルを基に、自動運転の経路計画から衝突事故などにつながる危険動作を自動検出する人工知能(AI)技術を開発した。自分の車が進む方向と速さを決める経路計画のプログラムに対しさまざまなシナリオを作り検査。自車の動作の修正で衝突を避けられるシナリオだけを自動検出できる。自動運転の安全性の研究が進むと期待される。

自動運転では「自車に問題があるような事故が起きないかを検査する」という要求がある。そのため危険動作が発生するシナリオを調べることが大切。だが自車に問題がある事故の判断基準を全て書き出すことは難しく、自動検出する手法が求められていた。

研究グループは、生物の進化をまねたAI技術「進化計算」の手法を改良。現実的で危険な動作を引き起こすシナリオを自動検出する手法を開発した。例えば「このシナリオで今のプログラムを使うと衝突が起きるが、乗り心地などの設計パラメーターを少し変更することで、衝突が起きない経路にできる」といったシナリオを検出する。開発者が大まかなシナリオを指定するだけで問題点を検出できると期待される。

ドイツ・ミュンヘン工科大学とノルウェー・シミュラ研究所との共同研究で開発した。

日刊工業新聞3月24日

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