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今日は「バルブの日」、新型コロナで詰まったお金を再び流そう

水栓をひねると水が出る。そんな当たり前の日常を支えているのはインフラと設備機器だ。今日は「バルブの日」。日本バルブ工業会が1954年3月21日に発足したのを記念して制定した。

「昔の水道はよく漏れていた」とは年老いた母の談。今や経年劣化しない限り漏れはほぼない。素材や加工、設計の進化は目覚ましく、高温・高圧に対応したバルブや、微量の流体を精密制御するバルブが産業界や日常生活で流れを調整している。

資金が流入する金融市場の流音が安定しない。“コロナ・ショック”を支えるため、15日には米がゼロ金利政策に踏み切るも、翌日にはNYダウは過去最大の下げ幅。一転、17日の総額1兆ドルの景気対策発表の後は株価が乱高下し、ジェットコースターのような1週間だった。

バルブも上流や下流の状況によっては正常に力を発揮できない。プリンターはノズルが詰まればインクが出ないし、食品工場では固化しやすいチョコレートが難物。お金も、温・湿度で粘性が変化する流体なのかもしれない。

温めたり異物を除去したりと、阻害要因を取り除けば再び流れ始める。コロナでは企業金融の円滑化と治療薬・ワクチン開発が、流れを阻害する不安感の解消につながる。

日刊工業新聞2020年3月20日

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