JFEスチール、熱延工場で「5G」稼働へ

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JFEスチールは17日、ビッグデータ(大量データ)の活用に向けた通信環境整備として、まず東日本製鉄所千葉地区(千葉市中央区)で4月に第5世代通信(5G)の運用を始めると発表した。KDDIの5Gサービスを活用し、監視カメラで撮影した製造設備の高精細映像を、管制室へ高速伝送できるようにする。高精細の映像と温度や圧力などのデータを関連付けて、設備の状態を高い精度で分析できるシステムを構築し、トラブルの予兆診断などに生かす。

千葉地区の熱延工場に高精細な4K映像を撮影できる監視カメラと、KDDIの5G基地局を設置し、カメラで撮影した製造設備の映像を、高速伝送できるようにする。設備に取り付けた温度センサーや圧力センサーなどの計測データと、高精細の映像を統合的に分析できる仕組みをつくり、5月から稼働させる。トラブルの予兆診断に加え、将来はこの仕組みを製品の品質判定にも生かす考え。

千葉地区への導入効果を踏まえて、他の工場や製鉄所にも5Gを導入し、設備や製品の状態を高い精度で“見える化”できる仕組みを整える計画だ。

出典:日刊工業新聞2020年3月18日

全社で共有できる環境整備も

出典:日刊工業新聞2019年12月4日

JFEスチールは製造設備の安定稼働に必要なビッグデータ(大量データ)を、第5世代通信(5G)で全社的に共有できる環境整備を進める。各製鉄所構内に5Gの環境を整え、設備に取り付けたセンサーの計測データを高速伝送して、刻々と変わる設備の状態を可視化する。他部門にいるデータ解析や設備管理の専門家らとデータを即時共有し、故障やトラブルに連携して対処できる体制も目指す。トラブルの防止や素早い復旧を狙い、導入の準備を急ぐ。2020年度中には実現する見込みだ。

まず全国の製鉄所構内にローカル5Gを導入し、スマート工場化する計画。設備に取り付けた温度センサーや圧力センサーなどの膨大な計測データを高速伝送し、設備の状態をリアルタイムで可視化できるようにする。続いて通信各社の5Gサービスを活用し、研究部門が擁するデータ解析の専門家や本社技術部門の専門家、他の製鉄所にいる設備管理の熟練者と、画像を含む大容量のデータを即時共有できる環境を整える構想。トラブルの際にはこれらの専門家が部門をまたいで協力する。

一般向け5Gサービスや、ローカル5Gに関わる制度の運用開始に向けて準備を急ぐ。

高炉など製鉄所で使う製造設備の“健康状態”を把握するには温度や圧力、振動、流量などの膨大なデータを集めて分析する必要があるが、有線での伝送には限界がある。JFEスチールは設備の稼働状況を数値モデルとして再現し、異常の予兆を見つけ出す「サイバー・フィジカル・システム」の導入を進める上でも、高速・大容量の通信網が必要とみて整備を進める。

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