電子レンジを使うサバ缶調理ロボット、外食業への挑戦
キュービットロボ、新商品販促にも活用
キュービットロボティクス(東京都千代田区、中野浩也社長、03・6261・6492)は、サバ缶の中身を紙パックに空け、電子レンジで調理するロボットを製作した。人間があらかじめ開缶する作業が必要だが、後の工程はすべて自動。電子レンジの扉を開閉したり、ネギや粉チーズをトッピングしたりする作業もロボットが行う。キュービットは今回のロボット開発を機に、より複雑な作業が求められる外食業の工程にも挑戦する計画だ。
一連の工程を自動化するために、ロボットの制御技術とともに、ロボットが作業しやすいように電子レンジや調理器具を改造した。電子レンジはロボットが持ちやすいように取っ手をとりつけ、扉の開閉でミスが出ないようにした。トッピング食材は、それぞれ違う色の治具をとりつけ、間違えないように配慮した。紙カップにサバ缶の中身を移すときにも汁が飛び散らないよう、中身の上から紙カップをかぶせ、その後で反転させるなど工夫した。
ロボット本体はカフェやパスタ、ビールで実績のあるカフェロボットを採用、人工知能(AI)や画像認識カメラを搭載し、「いかがですか?」と呼びかけるなどの接客ができる。ロボットの呼びかけで店の売り上げ増加につなげると同時に「ホテルの朝食バイキングなどでの利用を想定している」(同社)。試食提供や新商品プロモーションにも、活用できると見ている。
<関連記事>
ロボットメーカーも一目置く、異能の技術者集団の正体
日刊工業新聞2020年3月11日